沸立にた)” の例文
それを上等にしますと二合のクリームばかりへ粉砂糖大匙三杯混ぜて別段湯煎にしないでもザット沸立にたたせて香料を加えて固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
勘「うげす…それ七輪の火が煽って来た…徐々そろ/\湯が沸立にたって来たぞ御覧ごろうじろ今に旨く煮てやるから一寸ちょっと塩梅あんばいをしよう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あとをなお沸立にたった酒で、幾度いくたびもその冷込んだ手を洗わせ、やがて、ご新姐の手ずから、絹衾きぬぶすまを深々とかぶせられると、心も宙に浮いて、やすらかにぐっすり寝た。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鶏肉スープを製するには三百目位の新しい雛鶏ひなどりを骨ともにブツブツに切って水四合と小匙一杯の塩を加えて深い鉄鍋で沸立にたてます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前にすくまって、下げ煙管ぎせるの投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ひっぱずし、沸立にたった湯をながしへあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦ざるそば一杯いちめた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはイナでも鰡でも活きているようなのを三枚におろして小さく切ってグラグラ沸立にたっている湯の中へくぐらせて直ぐ揚げます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それをんな混て一旦いったん沸立にたたせて布巾ふきんこしてレモン油を小匙に軽く一杯加えて大きなブリキ鉢かあるいはゼリー型へ入て氷でひやし固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その鶏を五つ位にいて五合の水で玉葱四つを加えて塩味をつけて一時間湯煮ゆでます。最初沸立にたつ時アクの浮くのをすくい取らなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
塩を大匙一杯入れて火にかけて沸立にたった処へホップスを手でほごして大匙山盛一杯加えて一時間ほどグツグツと煮ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)