“沸返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にえかえ60.0%
わきかえ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、はしの倒れた事でも、沸返にえかえって騒立つ連中が、一人それまで居なかったのを、誰もいッつけ口をしなかったもあやしいよ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貞之進の肚裡はらのうちは一層二層三層倍に沸返にえかえって、突然いきなりその手紙を取って丸め、丸めたのを噛んで前なる川へほうり込み、現在封を破った上で、持って帰ればいゝとはどこがいゝ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
歓楽の大劇場は一瞬にして恐怖の坩堝るつぼと化した。幕の外では観客の沸返わきかえる騒ぎ、幕の内側では、——五郎が血まみれの道化ピエロを抱きおこして
劇団「笑う妖魔」 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
無論、うなっては塚田巡査一人の手に負える問題ではない。高山たかやまからも警官が大勢出張した、岐阜の警察からも昼夜兼行ちゅうやけんこうで応援に来た。狭い駅中しゅくじゅう沸返わきかえるような混雑である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)