“わきかえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
湧返75.0%
沸返25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殺しても飽足りないような、暴悪な憎悪の念が、家を飛出して行く彼女の頭に湧返わきかえっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
急遽きゅうきょささやき合う声があちこちして、天井まで湧返わきかえはずを、かえって、瞬間、寂然しんとする。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歓楽の大劇場は一瞬にして恐怖の坩堝るつぼと化した。幕の外では観客の沸返わきかえる騒ぎ、幕の内側では、——五郎が血まみれの道化ピエロを抱きおこして
劇団「笑う妖魔」 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
無論、うなっては塚田巡査一人の手に負える問題ではない。高山たかやまからも警官が大勢出張した、岐阜の警察からも昼夜兼行ちゅうやけんこうで応援に来た。狭い駅中しゅくじゅう沸返わきかえるような混雑である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)