“急遽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゅうきょ73.7%
あわたゞ3.5%
いそいそ3.5%
あせる1.8%
あわただ1.8%
あわただし1.8%
あわたゞし1.8%
けたた1.8%
けたたま1.8%
せわ1.8%
そそくさ1.8%
そそっか1.8%
とつかは1.8%
キュウキョ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで主君とのへ言上して、お墨付きを頂戴し、遠くへ敵の遁がれぬうちにと、ほとんど取るものも取りあえず、急遽きゅうきょ旅へ出たのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なにれはれたものだ、うやつてうするとひながら急遽あわたゞしう七尻端しりはしをりて、其樣そんゆわひつけなんぞよりれが夾快さつぱりだと下駄げたぐに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
急遽いそいそ先に立ちます。小宮山は後にいて二階に上り、座敷に通ると、篠田が洋燈ランプを持ったまま、入口に立停たちどまって、内をすか
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惣右衞門の知らざる事の有るべきやと足摺あしずりして急遽あせるゆゑ立花左仲は進みいで只今兩人の申す如くにては勿々なか/\穿鑿せんさく行屆ゆきとゞくまじ此儀今一應私し三河町へ罷りこし一手段仕つりたしと云ければ主税之助は大いに悦び然らば其方なほ此上の穿鑿せんさく致すべしと云けるに夫れより左仲は直樣すぐさま三河町にと馳行はせゆきたりさて主税之助は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かうやつてかうすると言ひながら急遽あわただしう七分三分に尻端折しりはしをりて、そんなゆわひつけなんぞよりこれが爽快さつぱりだと下駄を脱ぐに、お前跣足はだしに成るのかそれでは気の毒だと信如困り切るに、好いよ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
黄金こがね織作おりなせるうすものにも似たるうるはしき日影をかうむりて、万斛ばんこくの珠を鳴す谷間の清韻を楽みつつ、欄頭らんとうの山を枕に恍惚こうこつとして消ゆらんやうに覚えたりし貫一は、急遽あわただし跫音あしおとの廊下をうごかきたるにおどろかされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つかはさんと早速參上致すべきむね相認あひしたゝめて飛脚を歸し半四郎は豫て約定やくぢやうの通り駈着かけつけんと取物も取敢ず旅の調度をとゝの直樣すぐさま出立に及ばんとしければ門弟中はきもつぶし先生には何を急遽あわたゞしく旅の用意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「僕は佐伯田博士が臭いと睨んでいたんだが、その博士が脅迫されたとなると全くもう分らなくなってしまった」と云い終らないうちに、卓上電話のベルが急遽けたたましく鳴った。
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
その中を二台の馬車が急遽けたたましい音を立てて通って行った。自分はすっかり疲れて、寒い寒いと思いながら、ついうっとりとしていると、真暗だった目の前が俄かにぼっと、明るくなった。
香油 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
ホンの会話的の軽い非難だったが、答えは急遽せわしかった。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
急遽そそくさして、実は逃構にげがまえも少々、この臆病者は、病人の名を聞いてさえ、悚然ぞっとする様子で
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『でも——。余り急遽そそっかしいじゃないの?』
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
彼はやにはに煙管きせるを捨てて、ゆるがせにすべからざらんやうに急遽とつかはと身を起せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「国境ヨリ 真珠ノ頸飾ノ密輸甚ダ盛ンナリ。此処数日間ニ密輸サレタル数量ハ時価ニシテ五十万るーぶりニ達ス。シカシテ之レ皆貴関ヨリ密輸セラレタルコト判明セリ。急遽キュウキョ手配アレ」
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)