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きゅうきょ
ふりがな文庫
“
急遽
(
きゅうきょ
)” の例文
そこで
主君
(
との
)
へ言上して、お墨付きを頂戴し、遠くへ敵の遁がれぬうちにと、ほとんど取るものも取りあえず、
急遽
(
きゅうきょ
)
旅へ出たのであった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
我輩はすわこそと思ったから藩へ帰って輿論を喚起し、わが佐賀藩をして他の諸藩に後れは取らせまいと、
急遽
(
きゅうきょ
)
船に乗って帰途に着いた。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
、俺は丸万を訪れた。計画の大要を丸万に打ちあけた俺は、蹶起に呼応する形で今こそアナーキストの立ちあがるべき時だと説いた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
秀吉はひとり
燭
(
しょく
)
に対していた。こよい弥右衛門に託して安土へ急がせた書簡は、
急遽
(
きゅうきょ
)
、信長自身の来援をこの地に仰ぐためのものだった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
単独航海をやめて
護送船団編制
(
コンボイシステム
)
に改めさせたことは、あまねく人口に
膾炙
(
かいしゃ
)
しているところであるが、当時独逸軍令部の秘密命令を受けて
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
それこそ大隅学士が
急遽
(
きゅうきょ
)
電報でもって中央気象台へ注文したものだった。封筒を破いてみると、果して内部からはクルクル捲いた紙が出て来た。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで、さりげなくこの場をつくろって、
急遽
(
きゅうきょ
)
夫々の関係官庁と協議をとげる積りで、事もなげに哄笑して見せたのだ。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その結果、藁塚産業課長が
急遽
(
きゅうきょ
)
上京して、内務省、司法省、農商務省、陸海軍省と重要な打合わせをする。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
騒ぎに紛れて千浪をひっ
攫
(
さら
)
い、
急遽
(
きゅうきょ
)
袂
(
たもと
)
をつらねて下山の途についたと知るや否、
腰間
(
こし
)
に躍る女髪兼安を抑えてただちにあとを踏み、今やっとこの中腹のお花畑へ
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
すなわち日が東の地平線を破りて
出
(
い
)
ずると共に、今まで暗黒なりし全地は
急遽
(
きゅうきょ
)
として光明の野となり、山川風物さながら土に印を以て押したるが如く姿を現わし
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
神はエジプト人に禍害を下し給うた隙間に、
急遽
(
きゅうきょ
)
イスラエルを脱出せしめ給うたのです。羔羊の肉を食うのも、パンを食うのも、脱走のための腹ごしらえでありました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
と
急遽
(
きゅうきょ
)
囁
(
ささや
)
き合う声があちこちして、天井まで
湧返
(
わきかえ
)
る
筈
(
はず
)
を、かえって、瞬間、
寂然
(
しん
)
とする。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翁は最初志野陶土発見を某工人の口から知ったとき、矢も楯もたまらなくただ陶土さえ入手せば即刻にも志野は焼成するものと早合点し、
急遽
(
きゅうきょ
)
使者を山間に走らせられたのである。
素人製陶本窯を築くべからず:――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
それから先生は、ドドのために
急遽
(
きゅうきょ
)
帰国する決意をし、あたふたと時計をみながら帰っていった。そのあと、座間とカークが疲れたような目で、ぼんやりと屋並みをながめている。
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それで積込んであった
銑
(
せん
)
鉄、鉛の類を、
急遽
(
きゅうきょ
)
高松へ移すことになったのだ。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのおりも有楽座の出席時間になると
急遽
(
きゅうきょ
)
として
鬘
(
かつら
)
をぬいで急いでいった。そして済ませると直ぐに戻って来て興を
逸
(
そ
)
らさぬようにと勤めていた。彼女が可愛がられるのも理由のないことではない。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その歌の一節が
急遽
(
きゅうきょ
)
にして起り、急遽にして止む。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
、わが身のふり方を定めねばならなかった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
と新太郎君は心ならずも
急遽
(
きゅうきょ
)
辞し去った。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
燃え捨ての
薪
(
まき
)
をもって、彼の流名と誇りとを
辱
(
はずかし
)
めて帰ったという如き——またそれを聞いた大久保彦左衛門が、
急遽
(
きゅうきょ
)
登城して、将軍秀忠に
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は、元帥に別れの挨拶をして、再び魚雷型快速潜水艇にうちのり、
急遽
(
きゅうきょ
)
、クロクロ島へ引返したのであった。もちろん、オルガ姫を伴って……。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこもとの
父御
(
ててご
)
、江戸根津あけぼのの里なる小野塚家にあると聞きおよび、
急遽
(
きゅうきょ
)
、四人の高弟をしたがえ、平鍛冶中より筋骨のすぐれし者をえらんで駕籠屋に仕立て
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ことに各方面の同情を
惹
(
ひ
)
き、文相タイソン・ヒルマー卿は今回の災厄公電達するや、閣議中なりしも特に
急遽
(
きゅうきょ
)
ケムブリッジ大学に赴き、ゲイレック教授と最も親交厚き
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
この時今まで友の顔を見つめつつあったヨブは、
急遽
(
きゅうきょ
)
として眼を他に転ずることが出来た、そして遥かかなたを望み見るを得た。かくて二十三節以下の語が発せられたのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
同時に正木博士は単身七号室に引返し、前に監禁した一郎の様子を見に行ったところ、同人は病室の壁に頭を打ち付けて絶息しているのを発見し、
急遽
(
きゅうきょ
)
医員を呼んだので又も大騒ぎとなった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
同氏は故福川氏の依頼により旅行中のS
湖畔
(
こはん
)
より
急遽
(
きゅうきょ
)
上京の途中、突然行衛不明となったもので、恐らく福田氏殺害犯人の魔手に陥ったのではないかと見られていたが、今や同氏の死体発見され
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼はいまや、
畢生
(
ひっせい
)
の智と力と、そして、のるかそるかの
一擲
(
いってき
)
を
賭
(
か
)
けて——越中魚崎での対上杉軍との戦場を捨て——
急遽
(
きゅうきょ
)
、上洛の途中にあった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤軍の陣営では、
軍団長
(
ぐんだんちょう
)
イワノウィッチが本営から帰ってくると、司令部の広間へ、
急遽
(
きゅうきょ
)
幕僚
(
ばくりょう
)
の
参集
(
さんしゅう
)
を命じた。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と言ったのは、玄心斎、こうして源三郎の命令で、
急遽
(
きゅうきょ
)
、使いにたったわけでした。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
艦は
急遽
(
きゅうきょ
)
左回頭して、針路を転換、必死に遁走を試みたが、敵艦から撃ち出されてきたる砲弾は、右舷左舷の至近距離に丈余の水柱を挙げ、飛沫は、全艦滝のごとくに降り
濺
(
そそ
)
いでくる。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
と、妻を車に乗せ、自身は騎馬で、兵卒十人ばかりを供につれ、
急遽
(
きゅうきょ
)
、休暇願いを出して、明けがた十里
牌
(
はい
)
へ急いで来た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして遂に私の仮定が、或る程度まで
正鵠
(
せいこく
)
を射ていることを確めた。しかしその上で、
尚
(
なお
)
実際的証人を得る必要があったのだ。それで僕は
急遽
(
きゅうきょ
)
東京へ引返した。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一瞬にしてその脚をひっつかみ
担
(
かつ
)
ぐと見せて
急遽
(
きゅうきょ
)
身を起こした泰軒が遅かったのか?
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
関係当局でも近来の怪事件として、
急遽
(
きゅうきょ
)
凝議、不審の
眉
(
まゆ
)
をひそめている
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
当の賓客たる家康はなお安土にいるのに、接待役を交代させられて、
急遽
(
きゅうきょ
)
、本国へ引き揚げて来た光秀には、いったい如何なる身辺の変が起ったのか。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
では博士、
早速
(
さっそく
)
ですがお
暇乞
(
いとまご
)
いをして、
急遽
(
きゅうきょ
)
帰国の上、神経衰弱症の大統領を喜ばしてやりましょう
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
、国へ立ち帰って戦陣のあいだに挨拶をし直そう! 彼の眉は、はっきりそういうものを
漂
(
ただよ
)
わせながら
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太平洋艦隊司令長官「いや、五百倍ではない。最低二千倍を要する。殊に
急遽
(
きゅうきょ
)
必要とするのは兵員である。直ちに
徴募
(
ちょうぼ
)
し、三ヶ月の
駆足式訓練
(
かけあししきくんれん
)
を施されたいと希望するのであります」
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
秀吉は
急遽
(
きゅうきょ
)
岐阜へ使いを出していた。岐阜中将信忠の扱いを仰いで、信長の心をなだめようとしたのである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目下、
彼我
(
ひが
)
の空軍並に機械軍の間に、激烈なる戦闘を
交
(
まじ
)
えつつあり。
就中
(
なかんずく
)
、右翼
竜山師団
(
りゅうざんしだん
)
は一時苦戦に
陥
(
おちい
)
りたるも、左翼
仙台
(
せんだい
)
師団の
急遽
(
きゅうきょ
)
救援砲撃により、危機を脱することを得たり。終り
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
が、今度、再度の上洛には、捨てておかない動きが見えた。
急遽
(
きゅうきょ
)
、阿波三好党が、海をこえて、加勢に上陸したのも、その気配が早くも聞えたからであった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
司令艦衣笠の司令塔からは、全艦へ向って
急遽
(
きゅうきょ
)
命令が伝達された。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで
急遽
(
きゅうきょ
)
、この長井縫之助がえらばれ、新朝廷の西園寺、
久我
(
こが
)
などの
大臣
(
おとど
)
をとおし、二上皇の御裁可をうながすべき
東使
(
とうし
)
として、派遣されて来たものだった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は
急遽
(
きゅうきょ
)
自動車を操縦して外出した。
暗号の役割:烏啼天駆シリーズ・4
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
急遽
(
きゅうきょ
)
、従兄弟の光春へあてて
早打
(
はやうち
)
した書面は、本来、遅くも十三日の朝には着いてよいはずだが、途中の
聯絡
(
れんらく
)
が困難なために、これが光春の手にとどいたのは
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は其処で、秀吉に
謁
(
えっ
)
するために、賤ヶ嶽から
急遽
(
きゅうきょ
)
降って来た、
丹羽長秀
(
にわながひで
)
に会った。長秀は客将分である。彼にたいして秀吉の礼が
篤
(
あつ
)
いのはいうまでもない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがしのみは、ここに止まって、筒井殿に備え、後おあとを慕うて参りますれば、殿には、
急遽
(
きゅうきょ
)
下山あそばして、秀吉の
上洛
(
じょうらく
)
を
阻止
(
そし
)
なさらなければなりますまい」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
初春
(
はる
)
迫る年越しを前に、秀吉は、
江北
(
ごうほく
)
の一部にたいし、
断乎
(
だんこ
)
重大な軍事行動を起していたし、同時に、徳川家康も、何を思うか、
急遽
(
きゅうきょ
)
、浜松へひきあげを開始していた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は官兵衛のすすめに従って、
急遽
(
きゅうきょ
)
、書写山に本営を移し、そこの寺院から指令していた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孫権は、
急遽
(
きゅうきょ
)
、諸員を評定に召集して、それに応ずべき策を
諮
(
はか
)
った。その結果
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“急遽”の意味
《形容動詞》
急遽(きゅうきょ)
急に。急いで。にわかに。
(出典:Wiktionary)
急
常用漢字
小3
部首:⼼
9画
遽
漢検1級
部首:⾡
17画
“急”で始まる語句
急
急須
急足
急込
急湍
急立
急激
急病
急度
急勾配