“一擲”の読み方と例文
読み方割合
いってき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろこの解散を機会に官僚も党人も国民全体も過去の政争的関係をすべて一擲いってきして、立憲国の代議政治の根本精神に立ち返り
選挙に対する婦人の希望 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
彼はいまや、畢生ひっせいの智と力と、そして、のるかそるかの一擲いってきけて——越中魚崎での対上杉軍との戦場を捨て——急遽きゅうきょ、上洛の途中にあった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はじめ蝶吉と歌枕で逢曳あいびきの重なる時分、神月は玉司子爵の婿君であったから、一擲いってき千金はそのかたしとせざる処、蝶吉が身を苦界から救うのはあえて困難な事ではなかった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)