“万斛”の読み方と例文
旧字:萬斛
読み方割合
ばんこく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんな者よりは、俊基にすれば、自分の身代りに捕われて行ったと聞く船木頼春の方へ、この宵は、万斛ばんこくの涙を覚えていたに違いない。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、この深谷の幾千本針の針葉樹よりも、はた幾万斛ばんこくの水よりも、一寸の魚が、谷の感情を支配していないとは言えなかった。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
しかるをなお強いて「戯れに」と題せざるべからざるもの、その裏面には実に万斛ばんこく涕涙ているいたたうるを見るなり。ああこの不遇の人、不遇の歌。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)