“あわただし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
慌忙33.3%
忙敷33.3%
急遽33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はたちままなこを着けて、木立は垣の如く、花は幕の如くにさへぎひまを縫ひつつ、しばらくその影をひたりしが、つひたれをや見出みいだしけん。慌忙あわただしく母親にささやけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
汗を流さんと風呂場に急ぐ廊下の交互すれちがひに、貫一はあたかもかの客の湯上りに出会へり。こたびも彼はおもてを見せじとやうに、慌忙あわただし打背うちそむきて過行くなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
中々忙敷あわただしいので、我が一行は蘇州にも、揚州にも、一日の滯在見物する暇なかつた筈と想像される。
大師の入唐 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
黄金こがね織作おりなせるうすものにも似たるうるはしき日影をかうむりて、万斛ばんこくの珠を鳴す谷間の清韻を楽みつつ、欄頭らんとうの山を枕に恍惚こうこつとして消ゆらんやうに覚えたりし貫一は、急遽あわただし跫音あしおとの廊下をうごかきたるにおどろかされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)