“慌忙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわて30.8%
あわ23.1%
あわただ15.4%
あわたゞ15.4%
あわただし7.7%
あわてゝ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左門慌忙あわてとどめんとすれば、陰風いんぷうまなこくらみて行方ゆくへをしらず。俯向うつぶしにつまづき倒れたるままに、声を放ちて大いになげく。
慶三はこれ屈強と、覗機関のぞきからくりでも見るように片目を押当てたが、するとたちまち声を立てる程にびっくりして慌忙あわてて口を蔽い
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
慌忙あわただしいような夕飯が済むと、笹村は何やら持ち出して家を出た。母親もそれと前後して、産婆を呼びに行った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
晴代は年が越せるか何うかもわからないやうな不安と慌忙あわたゞしさの中に、春を迎へる用意をしてゐた。父親や妹たちも来て手伝つてゐた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼はたちままなこを着けて、木立は垣の如く、花は幕の如くにさへぎひまを縫ひつつ、しばらくその影をひたりしが、つひたれをや見出みいだしけん。慌忙あわただしく母親にささやけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
りしがかげさへ見ずなりし頃やう/\われに歸りつゝ慌忙あわてゝおくに走り入り今の次第を斯々かう/\と話すに妻も且あきれ且は驚く計りにて夫婦ふうふかたみおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)