慌忙あわただ)” の例文
慌忙あわただしいような夕飯が済むと、笹村は何やら持ち出して家を出た。母親もそれと前後して、産婆を呼びに行った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
母は不図思起してや、さも慌忙あわただしげに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
先生の仕事のもうあがっている笹村は、慌忙あわただしいような心持で、自分の創作に執りかかっていた筆をおいて、時々先生の様子を見に行った。みんなは交替に、寂しい病室に夜のおとぎをすることになっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)