慌忙あわ)” の例文
慶三はこれ屈強と、覗機関のぞきからくりでも見るように片目を押当てたが、するとたちまち声を立てる程にびっくりして慌忙あわてて口を蔽い
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
仙果は何処へか慌忙あわてて出て行こうとする出合頭であいがしら朝帰りの種員を見るや否や、いきなりその胸倉を取って、「乃公おらア今おめえさがしに行こうと思っていた処だ。気をたしかにしな。気をたしかにしな。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
目をさますと共に時計を見ながら慌忙あわてゝ起きてしまふ。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)