“覗機関”の読み方と例文
読み方割合
のぞきからくり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
甚句じんくを歌うものがある。詩を吟ずるものがある。覗機関のぞきからくりの口上を真似る。声色こわいろを遣う。そのうちに、鍋も瓶も次第にからになりそうになった。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
慶三はこれ屈強と、覗機関のぞきからくりでも見るように片目を押当てたが、するとたちまち声を立てる程にびっくりして慌忙あわてて口を蔽い
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雨戸の隙間からの、この世のものとも見えぬ、恐ろしい覗機関のぞきからくりが、彼の目を膠着にかわづけにして離さなかったのだ。彼は殆ど夢と現実との見境がつかなくなってしまっていたのだ。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)