“斯々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かくかく36.4%
かく/\22.7%
これ/\9.1%
かう/\9.1%
こう/\9.1%
こうこう4.5%
これこれ4.5%
しか/″\4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は斯々かくかくに考へたらしい、とか、斯々に考へた様子にも見えた、といふ風に言葉を用ひて第四人称をはぶくことも出来ない相談ではないやうである。
文章の一形式 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
扨も忠八は馬喰町なる旅宿りよしゆくかへりてお花夫婦に打對うちむかひ今日向島の渡舟わたしにて斯々かく/\の事ありしと告げれば夫婦は悦ぶ事大方ならず只行方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
品は送ってくれると云うから、その家で葉茶屋はぢゃやを始める事になったので、実は母親おふくろ打明ぶちあけました、云いにくかったが思い切って、実は斯々これ/\の芸妓が有りますが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
りしがかげさへ見ずなりし頃やう/\われに歸りつゝ慌忙あわてゝおくに走り入り今の次第を斯々かう/\と話すに妻も且あきれ且は驚く計りにて夫婦ふうふかたみおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
道程みちのりからして、斯々こう/\いう所を通ってくと大寺があって、此処に斯ういう豪農がある、陣屋は斯ういう山を越さなければならんという事まで貴公に道を教えたからこそ
万作は一々頷き勘太郎を返して、直ぐお光を呼んで斯々こうこうと話して見ると、お光は情なさそうにじっとおやじの顔を見つめて居たが、頭をって外へ出てしまった。万作は腹を立てる。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
女も眼をさまして起上おきあがると見る間に、一人は消えて一人は残り、何におどろいておきたのかときかれ、実は斯々これこれ伍什いちぶしじゅうを語るに、女不審いぶかしげにこのほども或る客と同衾どうきんせしに
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
父牛は亜米利加アメリカ産、母牛は斯々しか/″\、悪い癖さへ無くば西乃入にしのいり牧場の名牛とも唄はれたであらうに、と言出して嘆息した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)