“陰風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いんぷう66.7%
かぜ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左門慌忙あわてとどめんとすれば、陰風いんぷうまなこくらみて行方ゆくへをしらず。俯向うつぶしにつまづき倒れたるままに、声を放ちて大いになげく。
斬刑ざんけいがすんで、浜松城はままつじょうからきている奉行ぶぎょう検死けんし役人などは、みな床几しょうぎを立ちはじめた。りみだれて立ちはたらく下人げにんたちのあいだに、血なまぐさい陰風いんぷうく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此のことわりを思ひ出でて、みづからやいばし、今夜こよひ一〇二陰風かぜに乗りてはるばる来り菊花のちかひく。一〇三この心をあはれみ給へといひをはりて、なみだわき出づるが如し。今は永きわかれなり。