“かぜ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カゼ
語句割合
60.9%
風邪35.0%
感冒2.5%
微風0.4%
寒風0.2%
空気0.2%
感冐0.1%
旋風0.1%
海栗0.1%
烈風0.1%
軟風0.1%
陰風0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こまかきあめははら/\とおとして草村くさむらがくれなくこほろぎのふしをもみださず、かぜひとしきりさつふりくるはにばかりかゝるかといたまし。
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何だって? ハッハッハッ、そんなこたどうでもいいから来いよ、風邪かぜなんか熱いの一杯ひっかけりゃ癒っちゃう、何ぞってと風邪を
町の展望 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「なあに、心配して来てくれてるんだが、ただの感冒かぜだ。熱が少し。九度五分ばかりあるきりで、それも、すぐにさがる筈だ。」
椎の木 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
……その前日ぜんじつ、おなじやま温泉おんせん背戸せどに、物干棹ものほしざをけた浴衣ゆかたの、日盛ひざかりにひつそりとしてれたのが、しみせみこゑばかり、微風かぜもないのに、すそひるがへして、上下うへしたにスツ/\とあふつたのを
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お寒さうなが勿体ない。せめて私もこの寒風かぜにと、恍惚うつとりそこに佇みぬ。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
その声は白いクローバの花の上のあけ方の空気かぜの渦巻のようであった。
約束 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
晋「感冐かぜをひいたか、そりゃ大切だいじにしないと宜しくないよ、感冐は万病のもとと申すからの」
家の壁もところどころげて漆喰下地しっくいしたじがむきだしになっているのは、雨や旋風かぜや、秋の気候の変化など、あらゆる荒天にさらされて来たものと見える。
もっとも海胆は腸でありません。海栗かぜという貝の卵巣らんそうですけれども刺撃性が強いと見えます。何でも食物を料理する時は中へ入れる品物の性質を知っていてその配合を定めなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
七日前の晩と同じ、ひどい烈風かぜだ。大川の水が、石場の岸に白く泡立っていた。柳が、枝を振り乱して、陰惨な夜景である。
軟風かぜはつめたい西にかはった
詩ノート (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
此のことわりを思ひ出でて、みづからやいばし、今夜こよひ一〇二陰風かぜに乗りてはるばる来り菊花のちかひく。一〇三この心をあはれみ給へといひをはりて、なみだわき出づるが如し。今は永きわかれなり。