トップ
>
風
>
かぜ
ふりがな文庫
“
風
(
かぜ
)” の例文
高窓
(
たかまど
)
の
障子
(
しょうじ
)
の
破
(
やぶ
)
れ
穴
(
あな
)
に、
風
(
かぜ
)
があたると、ブー、ブーといって、
鳴
(
な
)
りました。もう
冬
(
ふゆ
)
が
近
(
ちか
)
づいていたので、いつも
空
(
そら
)
は
暗
(
くら
)
かったのです。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こまかき
雨
(
あめ
)
ははら/\と
音
(
おと
)
して
草村
(
くさむら
)
がくれ
鳴
(
なく
)
こほろぎのふしをも
乱
(
みだ
)
さず、
風
(
かぜ
)
一
(
ひと
)
しきり
颯
(
さつ
)
と
降
(
ふり
)
くるは
彼
(
か
)
の
葉
(
は
)
にばかり
懸
(
かゝ
)
るかといたまし。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姿
(
すがた
)
は
婀娜
(
あだ
)
でもお
妾
(
めかけ
)
ではないから、
團扇
(
うちは
)
で
小間使
(
こまづかひ
)
を
指圖
(
さしづ
)
するやうな
行儀
(
ぎやうぎ
)
でない。「
少
(
すこ
)
し
風
(
かぜ
)
過
(
す
)
ぎる
事
(
こと
)
」と、
自分
(
じぶん
)
でらふそくに
灯
(
ひ
)
を
入
(
い
)
れる。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天空
(
そら
)
には
星影
(
ほしかげ
)
一
點
(
てん
)
、二
點
(
てん
)
、
又
(
ま
)
た三
點
(
てん
)
、
風
(
かぜ
)
死
(
し
)
して
浪
(
なみ
)
黒
(
くろ
)
く、
船
(
ふね
)
は
秒一秒
(
べういちべう
)
と、
阿鼻叫喚
(
あびけうくわん
)
の
響
(
ひゞき
)
を
載
(
の
)
せて、
印度洋
(
インドやう
)
の
海底
(
かいてい
)
に
沈
(
しづ
)
んで
行
(
ゆ
)
くのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
御米
(
およね
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いて、
始
(
はじ
)
めて
一窓庵
(
いつさうあん
)
の
空氣
(
くうき
)
を
風
(
かぜ
)
で
拂
(
はら
)
つた
樣
(
やう
)
な
心持
(
こゝろもち
)
がした。
一
(
ひと
)
たび
山
(
やま
)
を
出
(
で
)
て
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
れば
矢張
(
やは
)
り
元
(
もと
)
の
宗助
(
そうすけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
其
(
それ
)
が
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎて、ポカ/\する
風
(
かぜ
)
が、
髯面
(
ひげつら
)
を
吹
(
ふ
)
く
頃
(
ころ
)
となると、もう
気
(
き
)
が
重
(
おも
)
く、
頭
(
あたま
)
がボーツとして、
直
(
ひた
)
と
気焔
(
きえん
)
が
挙
(
あが
)
らなくなつて
了
(
しま
)
ふ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして
若
(
わか
)
い
牝狐
(
めぎつね
)
が一
匹
(
ぴき
)
、中から
風
(
かぜ
)
のように
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
ました。「おや。」という
間
(
ま
)
もなく、
狐
(
きつね
)
は
保名
(
やすな
)
の
幕
(
まく
)
の中に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
ました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
その当時、あれ模様の空からは、急にはげしい風が吹きはじめたが、それはエフ氏が
風
(
かぜ
)
の
神
(
かみ
)
に早がわりをしたかのように思われた。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そよとだに風なき夏の曉に、遠く望めば只〻
朝紅
(
あさやけ
)
とも見ゆべかんめり。
風
(
かぜ
)
靜
(
しづか
)
なるに、六波羅わたり斯かる大火を見るこそ
訝
(
いぶか
)
しけれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
榎本
(
えのもと
)
はどうしているのでしょうか。
江戸
(
えど
)
にきているといううわさは
風
(
かぜ
)
のたよりにきいたのですが、それもたしかめることができません。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「こんなに
年老
(
としよ
)
るまで、
自分
(
じぶん
)
は
此
(
こ
)
の
梢
(
こづゑ
)
で、どんなにお前のために
雨
(
あめ
)
や
風
(
かぜ
)
をふせぎ、それと
戰
(
たゝか
)
つたか
知
(
し
)
れない。そしてお
前
(
まへ
)
は
成長
(
せいちやう
)
したんだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
風
(
かぜ
)
でも
吹
(
ふ
)
いて
栗
(
くり
)
の
枝
(
えだ
)
の
搖
(
ゆ
)
れるやうな
朝
(
あさ
)
に
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
から
馳出
(
かけだ
)
して
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ますと『
誰
(
たれ
)
も
來
(
こ
)
ないうちに
早
(
はや
)
くお
拾
(
ひろ
)
ひ。』と
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
が
言
(
い
)
つて
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
預
(
あづか
)
り
猶
(
なほ
)
追々
(
おひ/\
)
に門弟
殖
(
ふえ
)
ければ殊の外に
繁昌
(
はんじやう
)
なし居たるに此程半四郎の實父半左衞門は
不計
(
ふと
)
風
(
かぜ
)
の
心地
(
こゝち
)
にて
煩
(
わづら
)
ひ付しかば種々
醫療
(
いれう
)
に手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
新秋
(
しんしう
)
の
氣
(
き
)
もちいゝ
風
(
かぜ
)
が
簾
(
すだれ
)
を
透
(
とほ
)
して
吹
(
ふ
)
く、それが
呼吸氣管
(
こきうきくわん
)
に
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
まれて、
酸素
(
さんそ
)
が
血
(
ち
)
になり、
動脈
(
どうみやく
)
が
調子
(
てうし
)
よく
搏
(
う
)
つ………その
氣
(
き
)
が
味
(
あぢ
)
はへない。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
北
(
きた
)
にはゴビの
大沙漠
(
だいさばく
)
があつて、これにも
何
(
なに
)
か
怪物
(
くわいぶつ
)
が
居
(
ゐ
)
るだらうと
考
(
かんが
)
へた。
彼等
(
かれら
)
はゴビの
沙漠
(
さばく
)
から
來
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
は
惡魔
(
あくま
)
の
吐息
(
といき
)
だと
考
(
かんが
)
へたのであらう。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ひとりいてふに
限
(
かぎ
)
らず、しひのきやかしのき
等
(
など
)
、
家
(
いへ
)
のまはりや
公園
(
こうえん
)
の
垣根沿
(
かきねぞ
)
ひに
植
(
う
)
ゑてある
木
(
き
)
は、
平常
(
へいじよう
)
は
木蔭
(
こかげ
)
や
風
(
かぜ
)
よけになるばかりでなく
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
四月頃
(
しがつごろ
)
には、
野茨
(
のばら
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くものです。この
匂
(
にほ
)
ひがまた
非常
(
ひじよう
)
によろしい。
風
(
かぜ
)
などにつれて
匂
(
にほ
)
つて
來
(
く
)
ると、なんだか
新鮮
(
しんせん
)
な
氣
(
き
)
のするものです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
その
明
(
あ
)
け
方
(
がた
)
の
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
、ひるの
鳥
(
とり
)
でもゆかない
高
(
たか
)
いところをするどい
霜
(
しも
)
のかけらが
風
(
かぜ
)
に
流
(
なが
)
されてサラサラサラサラ
南
(
みなみ
)
のほうへとんでゆきました。
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其翌五日
(
そのよくいつか
)
、
奮然
(
ふんぜん
)
として
余
(
よ
)
は
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
行
(
ゆ
)
つた。
寒
(
さむい
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
き、
空
(
そら
)
の
曇
(
くも
)
つた、
厭
(
いや
)
な
日
(
ひ
)
であつたが、
一人
(
ひとり
)
で一
生懸命
(
しやうけんめい
)
に
掘
(
ほ
)
つたけれど、
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
ぬ。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
山
(
やま
)
全体
(
ぜんたい
)
が
動
(
うご
)
いたやうだつた。
急
(
きふ
)
に
四辺
(
あたり
)
が
薄暗
(
うすくら
)
くなり、
引
(
ひ
)
き
裂
(
さ
)
けるやうな
冷
(
つめた
)
い
風
(
かぜ
)
の
唸
(
うな
)
りが
起
(
おこ
)
つてきたので、
驚
(
おどろ
)
いたラランは
宙返
(
ちうがへ
)
りしてしまつた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
せっかく智恵を絞った糠の栞も、夜道ではあまり役に立たず、そのうちに
空
(
から
)
ッ
風
(
かぜ
)
が吹いて、明日をも待たずに吹き飛ばされてしまったのです。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
何
(
なん
)
の
審問
(
しんもん
)
?』
愛
(
あい
)
ちやんは
喘
(
あへ
)
ぎ/\
駈
(
か
)
けました、グリフォンは
只
(
たゞ
)
『それッ!』と
叫
(
さけ
)
んだのみで、
益々
(
ます/\
)
速
(
はや
)
く
走
(
はし
)
りました、
風
(
かぜ
)
が
持
(
も
)
て
行
(
ゆ
)
く
唄
(
うた
)
の
節
(
ふし
)
、——
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
梅喜
(
ばいき
)
さん/\、こんな
処
(
ところ
)
に
寐
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ちやアいけないよ、
風
(
かぜ
)
え引くよ……。梅「はい/\……(
眼
(
め
)
を
擦
(
こす
)
り
此方
(
こつち
)
を見る)×「おや……お
前
(
まい
)
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いたぜ。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男らしい
洒落
(
しやらく
)
な性格の細君の
他
(
た
)
の一面には
怖
(
おそ
)
ろしく優しい所があつて、越して来て五
日
(
か
)
目に
風
(
かぜ
)
を引いて僕が寝て居ると
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
お
爺
(
じい
)
さんはと
見
(
み
)
れば
何所
(
どこ
)
に
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
くと
言
(
い
)
った
面持
(
おももち
)
で、ただ
黙々
(
もくもく
)
として、あちらを
向
(
む
)
いて
景色
(
けしき
)
などを
眺
(
なが
)
めていられました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
日々曇り日々晴れ、朝夕
不測
(
ふそく
)
の風雲をくりかえしているではありませんか。しかも
風
(
かぜ
)
暴
(
あ
)
るるといえ、天体そのものが病み
煩
(
わずら
)
っているわけではない。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明和
(
めいわ
)
戌年
(
いぬどし
)
秋
(
あき
)
八
月
(
がつ
)
、そよ
吹
(
ふ
)
きわたるゆうべの
風
(
かぜ
)
に、
静
(
しず
)
かに
揺
(
ゆ
)
れる
尾花
(
おばな
)
の
波路
(
なみじ
)
。
娘
(
むすめ
)
の
手
(
て
)
から、
団扇
(
うちわ
)
が
庭
(
にわ
)
にひらりと
落
(
お
)
ちた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
はこの
夕陽
(
ゆふひ
)
の光をば
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ事なく悲しく感じながら、
折々
(
をり/\
)
吹込
(
ふきこ
)
む外の
風
(
かぜ
)
が大きな波を
打
(
うた
)
せる
引幕
(
ひきまく
)
の上を
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何分
(
なにぶん
)
支那
(
しな
)
は
廣
(
ひろ
)
い
國
(
くに
)
でありますし、またその
東部
(
とうぶ
)
は
大河
(
たいが
)
の
流
(
なが
)
した
泥
(
どろ
)
だとか、
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
き
送
(
おく
)
つてきた
小
(
ちひ
)
さい
砂
(
すな
)
だとかゞつもつて、
非常
(
ひじよう
)
にそれが
深
(
ふか
)
いために
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
晝のうちはあんなにほか/\と
暖
(
あたゝ
)
かくしてゐながら、なんとなく
袂
(
たもと
)
をふく
風
(
かぜ
)
がうそ
寒
(
さむ
)
く、
去年
(
きよねん
)
のシヨールの
藏
(
しま
)
ひ
場所
(
ばしよ
)
なぞを
考
(
かんが
)
へさせられたりしました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
わたしは
昨日
(
きのふ
)
の
午
(
ひる
)
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎ、あの
夫婦
(
ふうふ
)
に
出會
(
であ
)
ひました。その
時
(
とき
)
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
いた
拍子
(
ひやうし
)
に、
牟子
(
むし
)
の
垂絹
(
たれぎぬ
)
が
上
(
あが
)
つたものですから、ちらりと
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
が
見
(
み
)
えたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
元來
(
がんらい
)
浪
(
なみ
)
といふから
讀者
(
どくしや
)
は
直
(
すぐ
)
に
風
(
かぜ
)
で
起
(
おこ
)
される
波
(
なみ
)
を
想像
(
そう/″\
)
せられるかも
知
(
し
)
れないが、
寧
(
むし
)
ろ
潮
(
うしほ
)
の
差引
(
さしひき
)
といふ
方
(
ほう
)
が
實際
(
じつさい
)
に
近
(
ちか
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
それと
殆
(
ほと
)
んど時刻を同じゅうして、
河竹黙阿弥
(
かわたけもくあみ
)
が本所南二葉町の自宅で、七十八歳の生涯を終った。その日は日曜日で、
空
(
から
)
っ
風
(
かぜ
)
の吹く寒い日であった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
このあわて急ぐことをどんな
風
(
かぜ
)
が例の
白髪雑
(
しらがまじ
)
りの道路工夫に伝えたのであろう? 彼は既に、村の向うの丘の頂で
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
第十
常居
(
ゐま
)
は
濕氣
(
しめりけ
)
少
(
すくな
)
く
日當
(
ひあた
)
りよくして
風
(
かぜ
)
の
透
(
とほ
)
る
樣
(
やう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
用
(
もち
)
ふ
可
(
べ
)
し。一ヶ
年
(
ねん
)
一兩度
(
いちりやうど
)
は
必
(
かなら
)
ず
天井
(
てんじやう
)
また
椽
(
えん
)
の
下
(
した
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢所
(
ねどころ
)
は
高
(
たか
)
く
燥
(
かわ
)
きたる
方
(
はう
)
を
擇
(
えら
)
ぶべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
ふとした
風
(
かぜ
)
が元で、急性肺炎を起し、手をつくした看病も
甲斐
(
かい
)
なく、
淡雪
(
あわゆき
)
の消える様に
果敢
(
はか
)
なくなってしまった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
うさぎの
耳
(
みみ
)
は、
頭
(
あたま
)
のところで、ビュウビュウ
風
(
かぜ
)
になびきました。けれども、はりねずみのおかみさんのほうは、そのまま、そこに じっとしていました。
うさぎと はりねずみ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そういっても濃く真っ青に晴れぬいた空の下を
空
(
から
)
ッ
風
(
かぜ
)
が吹きまくるか、どッちにしても、乾いた、凍てたみちの上の
往来
(
いきかい
)
の音が浮足立ってひびくのである。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
ぢゃによって、
戀
(
こひ
)
の
神
(
かみ
)
の
御輦
(
みくるま
)
は
翼輕
(
はねがる
)
の
鳩
(
はと
)
が
牽
(
ひ
)
き、
風
(
かぜ
)
のやうに
速
(
はや
)
いキューピッドにも
双
(
ふた
)
つの
翼
(
はね
)
がある。あれ、もう
太陽
(
たいやう
)
は、
今日
(
けふ
)
の
旅路
(
たびぢ
)
の
峠
(
たうげ
)
までも
達
(
とゞ
)
いてゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
(七〇)
同明
(
どうめい
)
相照
(
あひてら
)
し、
(七一)
同類
(
どうるゐ
)
相求
(
あひもと
)
む。
雲
(
くも
)
は
龍
(
りよう
)
に
從
(
したが
)
ひ、
風
(
かぜ
)
は
虎
(
とら
)
に
從
(
したが
)
ふ。
(七二)
聖人
(
せいじん
)
作
(
おこ
)
つて
萬物
(
ばんぶつ
)
覩
(
み
)
る。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それからその明くる年、大正七年になって、正月に
風
(
かぜ
)
を引いて五、六日寝ていらしったことがあるでしょう
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
趣味
(
しゆみ
)
も
一致
(
いつち
)
しなければ理想も違ふし、第一人生觀が違ふ………、おツと、またお前の
嫌
(
いや
)
な
難
(
むづか
)
しい話になツて來た。
此樣
(
こん
)
なことは、あたら
口
(
くち
)
に
風
(
かぜ
)
といふやつなのさ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この間長きときは三十分もあらん。あたりの茶店より
茶菓子
(
ちゃがし
)
などもて
来
(
く
)
れど、
飲食
(
のみく
)
わむとする人なし。下りになりてより
霧
(
きり
)
深
(
ふか
)
く、
背後
(
うしろ
)
より吹く
風
(
かぜ
)
寒
(
さむ
)
く、忽夏を忘れぬ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
天台山にも異ならず。但し
有待
(
うたい
)
の
依身
(
いしん
)
なれば、
著
(
き
)
ざれば
風
(
かぜ
)
身
(
み
)
にしみ、
食
(
くは
)
ざれば
命
(
いのち
)
持
(
も
)
ちがたし。
燈
(
ともしび
)
に油をつがず、火に薪を加へざるが如し。命いかでかつぐべきやらん。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
軟
(
やはら
)
かな
風
(
かぜ
)
が
凉
(
すゞ
)
しく
吹
(
ふ
)
いて
松
(
まつ
)
の
花粉
(
くわふん
)
が
埃
(
ほこり
)
のやうに
濕
(
しめ
)
つた
土
(
つち
)
を
掩
(
おほ
)
うて、
小麥
(
こむぎ
)
の
穗
(
ほ
)
にもびつしりと
黴
(
かび
)
のやうな
花
(
はな
)
が
附
(
つ
)
いた。
百姓
(
ひやくしやう
)
は
皆
(
みな
)
自分
(
じぶん
)
の
手足
(
てあし
)
に
不足
(
ふそく
)
を
感
(
かん
)
ずる
程
(
ほど
)
忙
(
いそが
)
しくなる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
月より流るゝ
風
(
かぜ
)
梢
(
こずえ
)
をわたる
毎
(
ごと
)
に、一庭の
月光
(
げつくわう
)
と
樹影
(
じゆえい
)
と
相抱
(
あひいだ
)
いて
跳
(
おど
)
り、
白
(
はく
)
揺
(
ゆ
)
らぎ
黒
(
こく
)
さゞめきて、
其中
(
そのなか
)
を
歩
(
ほ
)
するの
身
(
み
)
は、
是
(
こ
)
れ
無熱池
(
むねつち
)
の
藻
(
も
)
の
間
(
ま
)
に
遊
(
あそ
)
ぶの
魚
(
うを
)
にあらざるかを
疑
(
うたが
)
ふ。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
牧場
(
まきば
)
の中には、美しい
調子
(
ちょうし
)
の
笛
(
ふえ
)
のような
蟇
(
がま
)
のなく声が聞えていた。
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の
鋭
(
するど
)
い
顫
(
ふる
)
え声は、星のきらめきに
答
(
こた
)
えてるかのようだった。
風
(
かぜ
)
は
静
(
しず
)
かに
榛
(
はん
)
の
枝
(
えだ
)
をそよがしていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
怪物
(
かいぶつ
)
が、はじめて
田舎
(
いなか
)
のその村にやってきたのは、たしか二月もおわりに近い、ある
寒
(
さむ
)
い朝のことだった。
身
(
み
)
をきるような
風
(
かぜ
)
がふいて、朝から
粉雪
(
こなゆき
)
がちらちら
舞
(
ま
)
っていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
しかし
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れ
方
(
かた
)
、おれは
帰
(
かへ
)
りゆく
労働者
(
らうどうしや
)
のすべての
拳
(
こぶ
)
しの
中
(
うち
)
に
握
(
にぎ
)
り
占
(
し
)
められたビラの
端
(
はし
)
を
見
(
み
)
た
電柱
(
でんちう
)
の
前
(
まへ
)
に、
倉庫
(
さうこ
)
の
横
(
よこ
)
に、
風
(
かぜ
)
にはためく
伝単
(
でんたん
)
を
見
(
み
)
た、
同志
(
どうし
)
よ
安
(
やす
)
んぜよ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
“風”の意味
《名詞》
(かぜ)空気の流れ。
(かぜ)ある勢力の勢い
(フウ)風習。気風。慣習。雰囲気。
(フウ)風体。恰好。
(フウ)様子。ふり。
(フウ)性向。性格。傾向。きらい。
(フウ)体裁。聞こえ。
(フウ)様態。感じ。
(出典:Wiktionary)
“風”の解説
風(かぜ)とは、空気の流れのこと、流れる空気自体のこと、またはそれによる現象(ビル風など)のことである。
(出典:Wikipedia)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“風”を含む語句
風采
風俗
暴風
暴風雨
中風
南風
東風
風姿
風呂
北風
西風
手風琴
風習
疾風
旋風
風体
風呂敷包
颶風
風評
東南風
...