“はやて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
疾風66.7%
颶風15.2%
暴風5.1%
早手3.0%
早手風2.0%
迅風2.0%
旋風1.0%
暴風雨1.0%
速風1.0%
1.0%
颺風1.0%
飆風1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
帆柱にしがみついて、しばらく様子を眺めていた周馬も、いよいよつのる疾風はやてに、ともすると体ぐるみ吹ッ飛ばされそうになるので
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
颶風はやてぎる警告けいこくのために、一人いちにんけまはつた警官けいくわんも、外套ぐわいたうなしにほねまでぐしよれにとほつて——夜警やけい小屋こやで、あまりのこと
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ東南寸雪すんせつの国の事也、北方丈雪ぢやうせつの国我が越後の雪ふかきところの雪吹は雪中の暴風はやて雪を巻騰まきあぐるつぢかぜ也。雪中第一の難義なんぎこれがために死する人年々也。
朝まだき、伊太夫の大船が、竹生島の前に船がかりしてまだ動かない先に、一隻の早手はやてがありまして、これは東の方から真一文字に朝霧を破って走りついて来ました。
早手風はやて、飛ぶ電光いなづま
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
わずかに開けられた窓の隙から春の迅風はやてに巻きあげられた桜の花弁はなびらが渦を巻いて、洋机テイブルの上へ散り乱れていたが、ふたたび吹き込んだ風に飛ばされどこへともなく舞って行った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三輪の萬七と清吉が旋風はやてのやうに追つかけて行くのを、平次は靜かに見やりながら言ふのでした。
それ自身本来暴風雨はやてのような、頑丈な歌を唄い出した。
どつとばかりに津波の勢ひで村外れの河口から吹きあげてくる速風はやては周囲の丘に行手をさへぎられて、唸りを挙げて天に沖し、壮烈な風巻しまきを巻き起すのが常であつた。
鬼の門 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
一陣のはやてとなりて消えたるにや杳としてわがますらをの消息知る人もなしといふ
さげいかりをといふ間もあらばこそ一ぢん颺風はやてさつおとし來るに常のかぜとはことかはうしほ波を吹出てそらたちまち墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
古い長火鉢の前に坐つた時にも、七輪の下をあふいでゐる時にも、暗い夜の闇の中に坐つてゐる時にも、をり/\飆風はやてのやうに襲つて来る過去の幻影の混乱した中にも……。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)