“風陰”の読み方と例文
読み方割合
かざかげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
焦生は其処の風陰かざかげを野宿の場処にしようと思った。彼は脚下あしもとに注意しながら岩のはなを廻って往った。眼の前に火の光が見えてきた。その火の焔のはしに家ののきが見えた。
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
高い上空を吹いている烈風が峰に当って渦流かりゅうをつくる。その渦が時々風陰かざかげのこの谷底に舞い降りて来るので、そのたびごとにこうした突風が屋を揺るがすのではないかと思われた。
雨の上高地 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)