“打背”の読み方と例文
読み方割合
うちそむ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと、ひとしく、俄然がぜんとしてまた美少年びせうねんつて、婦人ふじん打背うちそむほゝてた。が、すらりといて、椅子いすつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
汗を流さんと風呂場に急ぐ廊下の交互すれちがひに、貫一はあたかもかの客の湯上りに出会へり。こたびも彼はおもてを見せじとやうに、慌忙あわただし打背うちそむきて過行くなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と法師から打背うちそむく、とおもかげのその薄月の、婦人おんなの風情を思遣おもいやればか、葦簀よしずをはずれた日のかげりに、姥のうなじが白かった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)