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煮炊
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にたき
ふりがな文庫
“
煮炊
(
にたき
)” の例文
煮炊
(
にたき
)
もろくな事は出来ない。しかし若旦那よりは上手であろう。これを貸してくれようと云うのである。お母様は同意なすった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それを見て、水をすかしているふたりの
士卒
(
しそつ
)
がいった。
大久保勢
(
おおくぼぜい
)
の
兵糧方
(
ひょうろうがた
)
、
飯
(
めし
)
や
汁
(
しる
)
を
煮炊
(
にたき
)
する身分の
軽
(
かる
)
い兵である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私はテントを
拵
(
こしら
)
える必要がありますので六日ばかり逗留しましたが、二十五ルピー(一ルピーは六十七銭)で中で
煮炊
(
にたき
)
の出来る位の広さのテントが出来ました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
煮炊
(
にたき
)
に不自由はない、一枚の大岩を屏風とも、棟梁とも頼んで、そこへ油紙の
天幕
(
テント
)
を張った、夕飯の仕度にかかっているうち、嘉門次もエッサラとあがって来た
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
商売の出来るように致しました、この丈助は男でありながら
煮炊
(
にたき
)
をしたり、すゝぎ洗濯までいたします。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
それを
束
(
たば
)
にして、がっちりとここへ並べて置きなせえ。それから、
煮炊
(
にたき
)
をする鍋釜、米と塩、鰹節と切干——食料は、よく中身を調べて、この次へこうしてお置きなせえ。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
馬丁
(
べっとう
)
と、小間使と女中と、三人が附いて来たが、
煮炊
(
にたき
)
が間に合うようになると、一度、新世帯のお手料理を
御馳走
(
ごちそう
)
になった切り、その二人は帰った、年上の女中だけ残って。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
持ち出で傳吉が前に差し置き
嘸
(
さぞ
)
やお
空腹
(
ひもじう
)
候はん私し一人にて
煮炊
(
にたき
)
致し候ゆゑ
急
(
いそ
)
ぐとすれども
時移
(
ときうつ
)
りお待ち兼て在りしならん
緩々
(
ゆる/\
)
上
(
あが
)
りてお
休
(
やす
)
みなされませと言ふものごしに
愛敬
(
あいきやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼等
回回教徒
(
マホメダン
)
の習慣として
他
(
た
)
人種の
煮炊
(
にたき
)
した物は食はない、
炭薪
(
すみまき
)
携帯で
唯
(
た
)
だ水の給与を船から受ける
丈
(
だけ
)
、
而
(
さう
)
して自炊した食物を大皿に盛つて右の手で
掴
(
つか
)
んで食ふ。一切箸を用ひない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
××村の小學校では、小使の
老爺
(
おやぢ
)
に
煮炊
(
にたき
)
をさして校長の田邊が常宿直をしてゐた。その代り職員室で使ふ茶代と新聞代は宿直料の中から出すことにしてある。宿直料は一晩八錢である。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
針仕事も
煮炊
(
にたき
)
もよくは出来ない道子は手馴れない家庭の雑用に追われる。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
男二人の事ですから、
煮炊
(
にたき
)
は無論できません。我々は爺さんに頼んで近所の宿屋から三度三度食事を運んで貰う事にしました。夜は電灯の設備がありますから、
洋灯
(
ランプ
)
を
点
(
とも
)
す
手数
(
てかず
)
は
要
(
い
)
らないのです。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「だって何も持たないのだもの、ふやさなきゃ
煮炊
(
にたき
)
もできませんよ」
淪落の青春
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「冬になってからは、誰が
煮炊
(
にたき
)
をするのだね。」
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
煮炊
(
にたき
)
のけむりよ
雲
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
自分には
煮炊
(
にたき
)
も出来ずお前が此様な病気でも見舞に来る人もないから知らせる人もなし、物を食べなけりゃア力が附かないから、是では
仮令
(
たとえ
)
病気でなくとも死にます
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
××村の小学校では、小使の
老爺
(
おやぢ
)
に
煮炊
(
にたき
)
をさして校長の田辺が
常宿直
(
じやうしゆくちよく
)
をしてゐた。その代り職員室で
用
(
つか
)
ふ茶代と新聞代は宿直料の中から出すことにしてある。宿直料は一晩八銭である。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
針仕事
(
はりしごと
)
も
煮炊
(
にたき
)
もよくは
出来
(
でき
)
ない
道子
(
みちこ
)
は
手馴
(
てな
)
れない
家庭
(
かてい
)
の
雑用
(
ざつよう
)
に
追
(
お
)
はれる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
煮炊
(
にたき
)
をするのだ、山頂の風雨とはいいながら、焚火さえあれば、先ず生命に別条がないということを知っているから、連中懸命になって、薪材を山のように
搬
(
はこ
)
んで、火のそばへ盛り上げたものだ
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
尤も伯父の
家
(
うち
)
は
直
(
じ
)
き近くでございますから、晋齋も毎日見廻ってくれるし、三食とも運んでくれるので自分で
煮炊
(
にたき
)
するにも及ばない、唯仏壇に向ってその身の懺悔のみいたして日を送っております。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
煮
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
炊
常用漢字
中学
部首:⽕
8画
“煮”で始まる語句
煮
煮染
煮焚
煮〆
煮込
煮肴
煮立
煮方
煮汁
煮団子