割烹りょうりや)” の例文
以前もと、新橋のK……で叩き上げた技倆うでだと、自慢してる丈の事は有って、年は二十八だが、相応に庖丁も効き、つい此間迄は、浅草の、好く流行る二流所の割烹りょうりやの板前だった。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
閣老の阿部伊勢守に取り入って今の財産をこしらえたのだと云われる小倉庵おぐらあん長次は、割烹りょうりやの亭主だった。向島きッての宏壮こうそう普請ふしんが出来たのも近年で、自分は、隣りに、小ぢんまりと、住んでいた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)