“巧者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうしゃ71.1%
かうしや7.9%
じやうず5.3%
じょうず5.3%
しれもの5.3%
こうしや2.6%
りこう2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頭のまんなかに重いものをのせて、手ばなしであるいてくるなどということは、ちっとやそっとの巧者こうしゃではまねられるものでない。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それに、柴井町のやうな巧者かうしやな御用聞が見て、槍かのみで突いた傷とわかつて居るし、懷に財布があつたとすれば、その上俺が行つたところで、何も見付かる筈はない——ところで、八
すこぶるの淡白者きさくもので、上方弁の滑かな、話巧者じやうずの、何日いつ見てもお愛想が好いところから、間もなく村中の人の気に入つて了つた。それがすなはち源助さんであつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
裁縫おしごともよくするし髪も巧者じょうずに結うし、なんでもかでも女の通りよ。だけど男だっていうの、女の通りに育てられた男だっていうの。
はづかしげにおもてあからむる常の樣子と打つて變りし、さてもすげなき捨言葉すてことばに、冷泉いぶかしくは思へども、流石さすが巧者しれもの、氣をそらさず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「それだけ熊五郎が巧者こうしやになつたのさ、——おや、待つてくれ。熊井熊五郎が押込みに入るのは、不思議に六の日が多いぢやないか、五月六日に二十六日、六月十六日、七月六日、二十六日、八月十六日、九月六日——」
してみれば共犯ぐるに相違ない。それならここはわざと無難に落してやって、跡をけて大きな網を被せるほうが巧者りこうだと考え付いて、三次、静かに男の後姿を凝視みつめていた。