椿ちん)” の例文
このチャンチンの椿ちんは落葉喬木で大なる羽状葉を有し梢に穂を成して淡緑色の細花を綴り、ツバキとは似ても似つかぬ樹なのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
孝孺の学徳ようやく高くして、太祖の第十一子蜀王しょくおう椿ちん、孝孺をへいして世子のとなし、尊ぶに殊礼しゅれいもってす。王の孝孺にたまうの書に、余一日見ざれば三秋の如き有りの語あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この樹の名の椿ちんの字をツバキの和字の椿つばきの字と同一にて視てツバキの方の椿をもチンと発音しているのは、とても間違いの甚だしいものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
藩に就くに及ばず、第十子たんを生れて二月にして王とし、十六歳にして藩に兗州府えんしゅうふに就かしめ、第十一子椿ちんを封じてしょく王とし、成都せいとき、第十二子はくしょう王とし、荊州府けいしゅうふに居き
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
このちょの方の嫩葉は臭くて普通には食用にしないが椿ちんの方はそれ程でなくまずまず香気があってその嫩葉が食用になる。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)