“やかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤカタ
語句割合
80.5%
屋形11.4%
屋形船2.3%
車蓋1.4%
0.9%
居館0.9%
0.9%
屋方0.5%
家形0.5%
屋形舟0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舌長姥 (時に、うしろ向きに乗出して、獅子頭をながめつつあり)老人としよりじゃ、当やかた奥方様も御許され。見惚れるに無理はないわいの。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近江おうみのお屋形やかたといわれる佐々木六角の一族とも、婚約政策がむすばれた。——で、岐阜城はここ両三年、ほとんど、祝い事で忙しかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥は秋本荀竜じゅんりゅうの邸になっているが、前はちょっとした丘で雑草の繁るに任せ、岸近くには枝垂しだれ柳が二、三本、上り下りの屋形船やかたとともに
顏は煙に咽びながら、眉をひそめて、空ざまに車蓋やかたを仰いで居りませう。手は下簾したすだれを引きちぎつて、降りかゝる火の粉の雨を防がうとしてゐるかも知れませぬ。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やかたを張った井戸がある。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
兄やあによめの近頃のお生活方くらしかただの、御家人どもが争って、宏壮な居館やかたを建てたり、飲んだり遊び明したり、私闘に日を暮したりしている有様をながめると、わしの心は楽しまぬ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やかたの闇の靜かなるよるにもなればいぶかしや
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
燒け殘りたる築垣ついがきの蔭より、屋方やかたの跡をながむれば、朱塗しゆぬり中門ちゆうもんのみ半殘なかばのこりて、かどもる人もなし。嗚呼あゝ被官ひくわん郎黨らうたう日頃ひごろちように誇り恩をほしいまゝにせる者、そも幾百千人の多きぞや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
西八條の屋方やかたに花見のうたげありし時、人のすゝめにもだし難く、舞ひ終る一曲の春鶯囀に、かずならぬ身のはしなくも人に知らるゝ身となりては、御室おむろさとに靜けき春秋はるあきたのしみし身のこゝろまどはるゝ事のみ多かり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
苔で青くなつた石の手水鉢てうづばち家形やかたの置いてあるのがある庭も、奥のも、静かな静かなものでしたが、店の方には若いお針子はりこが大勢来て居ましたから、絶えず笑ひ声がするのでした。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
釣舟も、猪牙舟ちょきも、屋形舟やかたも、これから川へぞめき出る季節である。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万葉集に『沖つ国知らさむ君がやかた黄染きじめの棺神の海門渡る』
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)