“屋方”の読み方と例文
読み方割合
やかた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燒け殘りたる築垣ついがきの蔭より、屋方やかたの跡をながむれば、朱塗しゆぬり中門ちゆうもんのみ半殘なかばのこりて、かどもる人もなし。嗚呼あゝ被官ひくわん郎黨らうたう日頃ひごろちように誇り恩をほしいまゝにせる者、そも幾百千人の多きぞや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
西八條の屋方やかたに花見のうたげありし時、人のすゝめにもだし難く、舞ひ終る一曲の春鶯囀に、かずならぬ身のはしなくも人に知らるゝ身となりては、御室おむろさとに靜けき春秋はるあきたのしみし身のこゝろまどはるゝ事のみ多かり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)