“あづまや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
四阿33.3%
東屋22.2%
18.5%
四阿屋18.5%
吾妻屋3.7%
東家3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のぞくと、やまさかひにした廣々ひろ/″\としたにはらしいのが、一面いちめん雜草ざつさうで、とほくにちひさく、こはれた四阿あづまやらしいものの屋根やねえる。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と云いながら、しまいには伸び上るような風をして御簾の方へ秋波しゅうはを送った。それから誰かゞ「東屋あづまや」の文句を謡ったり「我家わいへん」の文句を謡ったりした。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「こんなところで待つてるの変だわ。あとでまた話すのは話すとして、ここぢやなく、あのあづまやの向う側で休んでてくれない? あつちへは誰も行かないから……」
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
四阿屋あづまやに虎斑の竹の葉は落ちていささめながら雨ふれりけり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
本所分限者の一人に數へられてゐる吾妻屋あづまや金右衞門が、昨夜誰かに殺されてゐることを、今朝になつて發見した騷ぎでした。
吾妻屋あづまやのために大きい身上をフイにして、親父はそれを苦にして死んでゐるんだ。その上お喜多との間を割かれて——あの氣性ぢや、默つて居るのが不思議でたまらない」
長さんといふのは、東家あづまや一門の浪花節語りだと自稱してゐる、三十四五の、口のゆがんだ小男であつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)