“とうか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燈火33.0%
灯火6.8%
燈下5.7%
踏歌5.7%
十日5.7%
藤花5.7%
刀架4.5%
桃花3.4%
透過3.4%
悼歌2.3%
東下2.3%
東家2.3%
刀渦1.1%
董和1.1%
刀下1.1%
塔下1.1%
投下1.1%
東河1.1%
榻下1.1%
湯火1.1%
痘科1.1%
登遐1.1%
稲架1.1%
纛下1.1%
藤下1.1%
蹋過1.1%
躍歌1.1%
闘渦1.1%
騰下1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いえうちにはうすぐら燈火とうかがついて、しんとしていました。まだねむ時分じぶんでもないのにはなごえもしなければ、わらごえもしなかったのであります。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
死なんとしては、死なんとする病夫びょうふのごとく、消えんとしては、消えんとする灯火とうかのごとく、今やむか、やむかとのみ心を乱すこの歌の奥には、天下の春のうらみをことごとくあつめたる調べがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明日あすからはくるまのおともまるまじ、おもへば何故なぜひとのあのやうやなりしかとながたもとうちかへしうちかへし途端とたん紅絹もみの八ツくちころ/\とれて燈下とうか耀かヾやく黄金わうごん指輪ゆびわ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少なくとも開眼供養の時には、踏歌とうかの類はじかに庭の上で演ぜられたのである。東西発声、分庭而奏(続紀)とある。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
それから十日とうかも経たないうちに、今まで縁遠かったお妻に対して結構な縁談を申込まれたのである。
経帷子の秘密 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、これは血ぐさい遊戯なので、禁裏の催しには、春ならば、藤花とうかをかざり、牡丹ぼたんうてなをつくったりなどして、陪観ばいかんの公卿朝臣あそんも、みな衣冠をただして、中門廊ちゅうもんろうのうちにいならぶのである。
「何を馬鹿なことを言うのだ。拙者の来国俊は縁側の刀架とうかにあったのだぞ——その時拙者は雪隠せっちんに入って居たのだ。拙者に知られずに、縁側を刀架の側まで来る工夫があると思うか」
特にこのたびの凱旋がいせんでは、新たな降人、呼延灼こえんしゃくをはじめ、二龍、白虎びゃっこ桃花とうかの三山から——魯智深ろちしん武松ぶしょう、青面獣、施恩しおん、曹正、張青、孫二娘そんじじょう、周通、孔明
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるに、わが地球からは、今日既にヘビサイド・ケネリーの電離層を透過とうかして、宇宙の奥深くきちらしている符号は日々非常に多い、短波の或るもの、それから超短波
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
デカダンスへの悼歌とうか。——頽廃のほんとうの魅力は貴族でなければわからない。無情な二十世紀は、彼らの手からこの最後の麻薬を奪ってしまった。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
帝室にしてくその地位を守り幾艱難いくかんなんのその間にも至尊しそんおかすべからざるの一義をつらぬき、たとえばの有名なる中山大納言なかやまだいなごん東下とうかしたるとき、将軍家をもくして吾妻あずまの代官と放言したりというがごとき
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たなしてかくるとにもあらず、夕顏ゆふがほのつる西家せいかひさしひ、烏瓜からすうりはなほの/″\と東家とうかかききりきぬ。ひてわれもとむるにはあらず、やぶにはうぐひするゝときぞ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
左膳、栄三郎、泰軒、源十郎、その他を抱きこんでよどむ夜泣きの刀渦とうかに、また一つ謎の大石が投げられたのだ!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
櫛まきお藤のさしがねで、刀渦とうかにまぎれ、巧妙にお艶の身柄をさらい出した源十郎は、深夜の往来に辻駕籠つじかごを拾ってまんまと本所の家へ運びこんだまではよかったが……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
直ちに、綿竹関めんちくかんの防禦へ、増軍を決行し、同時に、家臣董和とうかのすすめをいれて、漢中の張魯ちょうろへ、急使を派遣した。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
掌軍中郎将董和とうか
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あッ——といったのは刀下とうかせんのさけび、どッと、血けむりを立てるかと思うと、必死の寸隙すんげきをねらって、竹童の右手めてがふところをでるやいなや
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塔上とうじょうの二勇士、塔下とうかの三軍が、あれよと、おどろきさけんだ時には、万事休ばんじきゅうす、蛾次郎がじろう呂宋兵衛るそんべえ、ふたりを乗せた大鷲おおわしの影はまっしぐらに、三国山脈みくにさんみゃく雲井くもいはるかに消えていく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはあたかも空中からこの地点へ向って数多の爆弾を投下とうかしたならば、かような大穴があくことであろうと思ったことでした。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
秋に入つて七月十五日に、蘭軒は渡辺東河とうか、清水泊民はくみん、狩谷棭斎、赤尾魚来ぎよらいの四人と、墨田川で舟遊をした。蘭軒に七絶四首があつたが、集に載せない。只其題が蘭軒雑記に見えてゐるのみである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
汝もし信ぜずば今夜新しい葉をむしろの下にいて、別々に臥して見よ、明朝に至り汝の榻下とうかの葉は実するも、鬼の臥所ふしどの葉はむなしかるべしと言うて別れ出た。
もし尼がわが願いをかなえてくれるならば、湯火とうかを辞せずと約束した。——数日の後、了庵りょうあんの上堂に、一山の大衆が雲集した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次は抽斎の痘科とうかの師となるべき人である。池田氏、名はいんあざな河澄かちょう、通称は瑞英ずいえい京水けいすいと号した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
し太祖に果して登遐とうかの日に際して諸王の葬に会するを欲せざらば、平生無事従容の日、又は諸王の京を退きて封にくの時において、親しく諸王に意を諭すべきなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
足が擂木すりぎだったのはその老女の方で、大師はその罪の跡をかくすべく雪を降らせて下さったように、語られている土地も多いが、それにもなお隣の田の稲架とうかから
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
父中将は浪子が逗子に来たりしより間もなく、大元帥纛下とうか扈従こじゅうして広島におもむき、さらに遠く遼東りょうとうに向かわんとす。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
頭上の紫藤しとうは春日の光りを揺りて垂れ、藤下とうかの明子は凝然ぎようぜんとして彫塑てうその如くたたずめり。予はこの画の如き数分の彼女を、今に至つて忘るる能はず。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
第十四 諸山ノ雪ぜんヲ以テ融釈シ常時諸川ニ適宜ノ冷水ヲ送リ曾テ乾涸ヲ致サズ以上人命ノ係ルトコロ最大 夏月ハ冷冬月ハ温 熱ヲ解シ寒ヲふせグ天地ノ神工もとヨリ偶然ニ非ズ 路上ノ積雪我儕わがせいコレヲ蹋過とうかスルガ如キあに奉戴ノ意ヲ存セザルベケンヤ
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
次が踏歌とうか(あるいは女漢躍歌とうか)百二十人、これは女が二組に分かれて歌いながら踊るのであろうが、『釈日本紀』の引用した説によると歌曲の終わりに「万年阿良礼よろずとせアラレ」という「繰り返しリフレイン」がつくので
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
が、この時すでに、銀星上下に飛んで、三人は一度にまんじの闘渦とうかに没し去っていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
霧はまだれきらないが乳白色に透明をび、湯けむりのように乱流騰下とうかしてその膜の薄いところへかかると、川中島いちめんから、犀川千曲はいうまでもなく、遠い妙高、黒姫の連山にいたるまで
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)