“灯火(とうか)” の例文
旧字:燈火
訓練された七名の警官は、まるで霧のように静かに滑(すべ)りこみました。階下の廊下は淡(あわ)い灯火(とうか)の光に夢のように照らし出されています。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
死なんとしては、死なんとする病夫(びょうふ)のごとく、消えんとしては、消えんとする灯火(とうか)のごとく、今やむか、やむかとのみ心を乱すこの歌の奥には、天下の春の恨(うら)みをことごとく萃(あつ)めたる調べがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夜は、船の灯火(とうか)を見はるのだ。しっかりたのむぞ
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
あのまぎらわしい灯火(とうか)が点けられ、そして私は、まんまとそれにあざむかれて、こっちへまよいこんだのであろう。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
艇首に三つばかりの色のついた灯火(とうか)をつけ、『ワレ、貴隊ニアウヲ喜ブ』という信号をしめしただけであった。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
研究所の灯火(とうか)は、夜のふけるにつれ、不用な部屋の分は一つ一つ消されていき、だんだんさびしさを増すのであった。夜中になって、東の山端(やまはし)から、片われ月がぬっと顔を出した。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)