十日とうか)” の例文
あと十日とうかてばいよいよ鎮座祭ちんざさいはこびになる。かたちこそちいさいが、普請ふしんはなかなかんでるぞ……。』
それから十日とうかも経たないうちに、今まで縁遠かったお妻に対して結構な縁談を申込まれたのである。
経帷子の秘密 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
五十けんによき得意塲とくいばもちたりとも、内證ないしようくるま商賣しようばいものゝほかなればせんなく、十三になれば片腕かたうで一昨年おとゝしより並木なみき活版所かつぱんじよへもかよひしが、怠惰なまけものなれば十日とうか辛棒しんぼうつゞかず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
十日とうか程前でしたかしら。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かさねて十日とうか半月はんつきさては廿日はつかにつらき卯月うづきすぎたり五月雨さみだれごろのしめりがちのき忍艸しのぶたぐひのきてはかねどいけのあやめのながきおもひにかきらされてそでにもみづかさのさりやすらん此處こゝ別莊べつそう人氣ひとげくなくりの八重やへ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)