“耀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かがや65.5%
かが8.6%
かがよ5.0%
かゞや4.3%
ひかり2.9%
かがやか1.4%
かゞよ1.4%
かがやき1.4%
かゞ1.4%
きら1.4%
ひか1.4%
かゞやき0.7%
かヾ0.7%
かぎ0.7%
かぎろ0.7%
0.7%
てり0.7%
カガヤ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一家の誰の眼も、にこやかに耀かがやき、床の間に投げ入れた、八重桜やえざくらが重たげなつぼみを、静かに解いていた。まことになごやかな春のよいだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
緋縅ひおどし大鎧おおよろいて、竜頭りゅうず金鍬形きんくわがたの付いたかぶとをかぶって、連銭葦毛れんせんあしげの馬に乗った美しい若武者が迎えに来る、光り耀かがやくような若い大将が、それがお登女の花婿である。
似而非物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「——なにせ、秋だ、聖壇の大蝋燭のやうに、ちらちら、感情のまく耀かがよひながら微動する」と
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
人々は歴史と空想とを編み交ぜたる我詞章に耳を傾けつゝ、彼過去の影をもて此現在の形となすにやあらん、その眼光は皆耀かゞやけり。
そこへ、お前が、耀ひかりの翼で触ってやると、人間は、五月の樫が朝露に会ったように、活々と若く、甦るのです。
対話 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
わたくしの為に世のすがたを飾り、すべての花の枝の美しさをば限り知られぬ栄光に輝してくれたのですのに、わたくしは全く恍惚こうこつとして地上に身を投げ伏し、耀かがやかしい自然、そのころも
彼は夢みた、やさしの牧場、其処に耀かゞよふ大浪は
突如、梵天ぼんてんの大光明が、七彩赫灼かくしやく耀かがやきを以て、世界開発かいほつの曙の如く、人天にんてん三界を照破した。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
最も耀かゞやかな寶石ときらびやかな衣裝いしやうで自分を飾るやうに侍女に云ひつける、そして、その晩、舞踏會でその不實な男に會ひ
にはかに空がはっきり開け星がいっぱい耀きらめき出した。たゞその空のところどころ中風にでもかかったらしく変によどんで暗いのは幾片か雲が浮んでゐるのにちがひない。
柳沢 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「やすみしし吾大王おほきみ、高耀ひか皇子みこきいます大殿おほとのの上に、ひさかたの天伝あまづたひ来る、雪じもの往きかよひつつ、いや常世とこよまで」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
されど怒らず、いとうつくしく微笑ほゝゑみたれば、そのゑめる目の耀かゞやきはわが合ひし心をわかちて多くの物にむかはしむ 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
明日あすからはくるまのおともまるまじ、おもへば何故なぜひとのあのやうやなりしかとながたもとうちかへしうちかへし途端とたん紅絹もみの八ツくちころ/\とれて燈下とうか耀かヾやく黄金わうごん指輪ゆびわ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
朝影あさかげはなりぬたま耀かぎるほのかにえてにしゆゑに 〔巻十一・二三九四〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
春の陽光は眼覚めるばかりにその輝きを増し、緑色の木洩日こもれび耀かぎろいは一段とあざやかになって行く。子供達は何やらみな一様に眼を輝かして、太陽を仰ぐ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
天八達之衢あまのやちまたに居り、その鼻長さ七咫ななあた脊の長さ七尺ななさか云々、また口尻くちわき明り耀れり、眼は八咫鏡やたのかがみの如くして、赩然てりかかやけること赤酸醤あかかがちれり、すなわちみともの神を遣して往きて問わしむ、時に八十万やそよろずの神あり
国王これをおとない眼を開きて相面せよといいしに、わが眼睛耀てりて、君輩当りがたしと答え、国史に猿田彦大神、眼八咫鏡やたのかがみのごとくにして、赤酸漿あかかがちほどかがやく、八百万やおよろず神、皆目勝まかちて相問うを得ずとある。
神モ霊威ヲ耀カガヤカシ給ハバ
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)