“黒耀石”の読み方と例文
読み方割合
こくようせき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
首の向きも直さず、濃く煙らして、炉炭の火を見詰めていた娘のひとみ睫毛まつげとが、黒耀石こくようせきのように結晶すると、そこからしとりしとりしずくが垂れた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼女は黒い羽織で顔の輪廓りんかくがひとしお鮮かで、ほおまで垂れた黒髪の下から、なめらかな黒耀石こくようせきのような目が、長い睫毛まつげの陰に大きく潤い輝いていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
大きな黒耀石こくようせきの瞳、紅に濡れた唇は、西洋人形の唇の曲線を思わせて、その上品さと無邪気さは、新聞社会などに呼吸する人間とはどうしても思えなかったのです。