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黒耀石
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こくようせき
ふりがな文庫
“
黒耀石
(
こくようせき
)” の例文
首の向きも直さず、濃く煙らして、炉炭の火を見詰めていた娘の
瞳
(
ひとみ
)
と
睫毛
(
まつげ
)
とが、
黒耀石
(
こくようせき
)
のように結晶すると、そこからしとりしとり
雫
(
しずく
)
が垂れた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼女は黒い羽織で顔の
輪廓
(
りんかく
)
がひとしお鮮かで、
頬
(
ほお
)
まで垂れた黒髪の下から、
滑
(
なめ
)
らかな
黒耀石
(
こくようせき
)
のような目が、長い
睫毛
(
まつげ
)
の陰に大きく潤い輝いていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大きな
黒耀石
(
こくようせき
)
の瞳、紅に濡れた唇は、西洋人形の唇の曲線を思わせて、その上品さと無邪気さは、新聞社会などに呼吸する人間とはどうしても思えなかったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分たちの子供の時分には既婚の婦人はみんな
鉄漿
(
おはぐろ
)
で歯を染めていた。祖母も母も姉も
伯母
(
おば
)
もみんな口をあいて笑うと赤いくちびるの奥に
黒耀石
(
こくようせき
)
を刻んだように漆黒な歯並みが現われた。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
真珠や
黒耀石
(
こくようせき
)
を追い求めては、果てしない太平洋の真蒼な潮の上を、真紅な帆でも掛けて、恐らくは葦の茎の海図を使用しながら、あるいは、今でも我々の仰ぐオリオン星やシリウス星を頼りに
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
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不由は
黒耀石
(
こくようせき
)
のような
眸子
(
ひとみ
)
に、冷たい光をうかべながら向直った
入婿十万両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
安楽椅子の
凭
(
もた
)
れに手を掛けて、中腰に差覗くと、女の顔は何んと言う冷たさでしょう。その
黒耀石
(
こくようせき
)
のような瞳を見ただけで、讃之助の全身は凍り付いてしまいそうです。
葬送行進曲
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
黒耀石
(
こくようせき
)
のような眼をまたたくのでした。
判官三郎の正体
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“黒耀石(
黒曜石
)”の解説
黒曜石(黒耀石、こくようせき、en: Obsidian)は、火山岩の一種、およびそれを加工した宝石である。岩石名としては黒曜岩(こくようがん)という。英語名の「オブシディアン」は、エチオピアでオブシウス (Obsius) なる人物がこの石を発見した、という、大プリニウスの『博物誌』の記述による。
(出典:Wikipedia)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
耀
漢検準1級
部首:⽻
20画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“黒耀”で始まる語句
黒耀