“きら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
45.8%
綺羅16.9%
11.6%
5.7%
吉良3.8%
3.6%
3.4%
2.1%
1.1%
0.8%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
雲母0.4%
綺麗0.4%
綾羅0.4%
耀0.4%
浮脂0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この花粉には色があって、それが着物にくと、なかなかその色が落ちないので困る。ゆえに、人によりユリの花をきらうことがある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
上は大名旗本から下は職人商人まで身分不相応に綺羅きらを張り、春は花見秋は観楓かんぷう、昼は音曲夜は酒宴……競って遊楽あそびふけっております。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女はしばらくはうっとりと、きらびやかな燈火ともしびを眺めていた。が、やがてその光に、彼女自身の姿を見ると、悲しそうに二三度かしらを振った。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
濃紺のうこん濃紫のうしの神秘な色をたたえて梢をる五尺の空に唯一つ明星をきらめかしたり、彼の杉の森は彼に尽きざる趣味を与えてくれる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
戦時中、防空壕の掩蓋えんがいになっていた吉良きらの雑倉の小屋根に風穴があくと、係長と刑事が後先になって地下室へ入って行った。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
其の不快を極むるところの一路なるをも忌みきらふにいとまあらずして渠身不相応なる大船の数々出入するに徴して知るべし。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
月は段々高くなつて、水の如き光は既に夜の空に名残なごりなく充ち渡つて、地上に置き余つた露は煌々きら/\とさも美しくきらめいて居る。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「しかし、不意だからちょっと驚きましたよ。」とその洋画家が……ちょうど俯向うつむいて巻莨まきたばこをつけていた処、不意をくらった眼鏡がきらつく。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取戻とりもどして消光度無くらしたくなくてはかなはぬ金子故しうの爲には親をもすてならひ後日に我が首をきらるゝ如きは容易おろかと思ひ道ならぬ事ながぬすみに參りしとありまゝに語りければ彼の男是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
噂のひろがると共に疫が忽ち村中に流行して来る——と、実際村の人は思つてるので、疫其者よりも巡査の方がきらはれる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けれども、明治十八年建設当初に、河鍋暁斎かわなべぎょうさい落合芳幾おちあいよしいくをしてこの館の点睛てんせいに竜宮の乙姫を描かせたほどのきらびやかな眩惑は、その後星の移るとともに薄らいでしまった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
竹助は心がうなる者ゆゑ用心にさしたる山刀をひつさげ、よらばきらんとがまへけるに、此ものはさる気色けしきもなく、竹助が石の上におきたる焼飯やきめしゆびさしくれよとふさまなり。
築地つきぢ二丁目の待合「浪の家」の帳場には、女将ぢよしやうお才の大丸髷おほまるまげ、頭上にきらめく電燈目掛けて煙草たばこ一と吹き、とこしなへにうそぶきつゝ「議会の解散、戦争の取沙汰とりざた、此の歳暮くれをマアうしろツて言ふんだねエ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
て聴けば寒夜かんや夜霜よじもきらふなりあはれなるかも前のたかむら
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
写楽が雲母きらを揉みこそげ、 芭蕉の像にけぶりしつ
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
万八、河長、梅川、亀清、柳屋、柏屋、青柏、大中村と、庇を連ねた酒楼おちゃやでも、大川筋へ張り出した桟敷さじきへ、柳橋芸者に綺麗きらを飾らせ、空の一発千両と豪華のほどを競い、争っている。
円朝花火 (新字新仮名) / 正岡容(著)
師走の月は世間一躰いつたい物せわしき中を、こと更に選らみて綾羅きらをかざり、一昨日おととひ出そろひしと聞くそれの芝居、狂言も折から面白き新物しんものの、これを見のがしてはと娘共の騒ぐに、見物は十五日
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
島抜け法印の、どんぐり目は、いよいよギラギラと、耀きらめいて来た。これまで押し伏せに押し伏せていた欲望が、一度、ムクムクと頭をもたげた以上、それを、もうどうすることも出来ない。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
莞爾につこりして、草鞋わらぢさき向直むきなほつた。けむり余波なごりえて、浮脂きら紅蓮ぐれんかぬ、みづ其方そなたながめながら
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにをかこゝろむる、とあやしんで、おこみぎはつて、枯蘆かれあしくきごしに、ほりおもてみつめた雪枝ゆきえは、浮脂きらうへに、あきらかに自他じた優劣いうれつきぎけられたのを悟得さとりえて、おもはず……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ここに天皇りたまはく、「その兄をきらひたまへども、なほその后を愛しとおもふにえ忍へず」
お政も今は一生懸命邪魔じやまし給ふなと云ながら用意の九寸五分をきらりと引拔ひきぬき家主いへぬし目懸めがけきかゝるに吉兵衞は大いに驚きヤア人殺ひとごろし/\とあとをも見ずに逃出せばお政はこゝぞと混雜紛こんざつまぎれに込合こみあふひと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
黒衣こくえ棲居すみかを立出でしが、かれが言葉を虚誕いつわりなりとは、月にきらめく路傍みちのべの、露ほども暁得さとらねば、ただ嬉しさに堪えがたく
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
是公の家の屋根から突出つきだした細長い塔が、瑠璃色るりいろの大空の一部分を黒く染抜いて、大連の初秋はつあきが、内地では見る事のできない深い色の奥に、数えるほどの星をきらつかせていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)