きら)” の例文
斯う云うむずヶしい事件を引受けねば昇等しょうとうは出来ないぜ(大鞆)りゃわかッて居る盤根錯節ばんこんさくせつきらんければ以て利器を知る無しだからむずかしいはちっともいとヤせんサ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
取戻とりもどして消光度無くらしたくなくてはかなはぬ金子故しうの爲には親をもすてならひ後日に我が首をきらるゝ如きは容易おろかと思ひ道ならぬ事ながぬすみに參りしとありまゝに語りければ彼の男是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
娼「花里さん来たよ、早く側へ往っておあげよ、そんなにシラをきらなくッてもいゝわ、モウ気は部屋へ行ってるんだよ、呆れたもんだねえ、花里さんの抜殻ぬけがらさんや、オイ/\」
お辰めを思いきらせましょう。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大西瓜おおすいか真つ二つにぞきられける
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
殺すぞや妾は何のとが有て娘にあはすと連出し此樣こんさびしい所へ來てだまし殺しは何故ぞアヽうらめしや三次殿四邊あたりに人はなき事か何卒どうぞたすけて下されときられしかたを兩手でおさにげんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
偖は人にてもきられて居たるやと見ればには飛石とびいしにも草履ざうりにて血を踏付ふみつけたる跡ありけるによつて草履を返し見れば血の付て居ざるにそさて不思議ふしぎなることなりとて血をあらおとさんと夫婦水をくみきて庭石にはいし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)