“黒衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろご45.5%
こくい27.3%
こくえ13.6%
くろこ4.5%
くろぬの4.5%
くろんぼ4.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窓の下へ寄っていた三人の黒衣くろご、四ツ目屋の新助、お人よしの率八、雲霧の仁三にざを取り囲んで、追っ馳け追ン廻す物音の様子であります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頃、幾年となく、黒衣くろごの帯に金槌かなづちをさし、オペラ館の舞台に背景の飾附をしていた年の頃は五十前後の親方がいた。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つまりは、黒衣くろごをかぶって、何年か楽屋の飯を食わなければ、芝居というものは書けないように言い伝えられていた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と忍剣は苦笑して、さきに打ちたおした黒衣こくいの影武者をのぞいたが、呂宋兵衛るそんべえ偽者にせものと知って舌打したうちする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、黒衣こくいばうさんたちが、彼女かのぢよ周圍しうゐいたが、K斷然だんぜんそれを拒絶きよぜつした。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
時に黒衣こくい長身の人物は、ハタと煙管きせるを取落しつ、其方そなたを見向ける頭巾ずきんうちに一双のまなこ爛々らんらんたりき。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ここによきはかりごとこそあれ、頃日このころ金眸きんぼう大王が御内みうちつかへて、新参なれどもまめだちて働けば、大王の寵愛おおぼえ浅からぬ、彼の黒衣こくえこそよかんめれ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
黒衣こくえを、見よ、まとひてはそうのつとめ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
時にわれ、朦朧もうろう黒衣こくえして
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ところが、お小夜の方にも、軍師がついて居ましたよ、やくざの猪之松ゐのまつといふ男で、——万兩さんの半次郎の心中話は、皆んなお前の心底を試して見る狂言だ。川へ飛込めば下には船が待つて居て救ひあげてくれるし、往來の松の枝に首を吊ればそつと後ろから抱き上げてくれる黒衣くろこが着いて居る。
さけびながら、手にのこった黒いぬのをほうりてると、そのはずみにみょう粘力ねんりょくうでに感じたので、思わず、オヤとふりかえると、そのかたさきへ、いったん地にすてた黒衣くろぬのがフワッといきおいよくびついてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人気第一は中村芝翫、張りのある容貌、蝋引きのような眼、すばらしい顔立ち、従って「対面」の工藤や「助六」の意休、「八陣」の加藤など錦絵も及ばぬ立派さ、踊が名人で「道成寺」が当時随一、供奴や山神など気が乗るとハッハッというかけ声、ただ台詞せりふの呑み込みが悪く、年中黒衣くろんぼがついていた。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)