“くろんぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒奴45.7%
黒人22.9%
黒坊14.3%
黒穂2.9%
崑崙奴2.9%
昆倫奴2.9%
黒人奴2.9%
黒色人2.9%
黒衣2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ロリー氏は椅子に掛けたまま身を動かして、例の黒奴くろんぼのキューピッドたちの病院患者行列の方へ心配そうな眼をちらりと向けた。
女弁護士はその弁護を引請ひきうけて、法廷に立つた。そして色々の方面から熱心に喋舌しやべつたかひがあつて、黒人くろんぼうまく無罪になつた。
太郎「印度いんど黒坊くろんぼばかりゐるのかとおもつたら、おまへのやうなしろとりもゐるのかい」
一生安楽に暮される守護符おまもりになる……というので……もっとも雁八はその貰うた黒穂くろんぼ白湯さゆで飲んだと申しましたが……ハハハ……
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
麦の穂が出る頃になると藤六は、やはり店に人の来ない時分を見計らって、家の周囲の麦畑へ出て、熱心に麦の黒穂くろんぼを摘んでいる事があった。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
素足、小袿こうちぎつま端折りて、片手に市女笠いちめがさを携え、片手に蓮華燈籠を提ぐ。第一点のともしびの影はこれなり。黒潮騎士こくちょうきし、美女の白竜馬をひしひしと囲んで両側二列を造る。およそ十人。皆崑崙奴くろんぼの形相。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
というと、また合点がってん々々。よい、とした小腕ながら艪を圧す精巧な昆倫奴くろんぼの器械のよう、シッと一声飛ぶに似たり。はやい事、ただし揺れる事、中に乗った幼い方は、アハハアハハ、と笑って跳ねる。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今日けふ見し荷揚人足の黒人奴くろんぼの中に頭くるくると青くりたりし一人ひとりがまたその六代目の顔してありしことなどを思ひでて可笑をかしがりさふらひき。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「信長さまが、宣教師バテレンの連れて来た黒色人くろんぼを、安土のお庭へ通されて、つぼねの女房どもも、見よとて、大勢で、御覧あそばしたことがありました」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ台詞せりふの呑み込みが悪く、年中黒衣くろんぼがついていた。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)