“黒潮騎士”の読み方と例文
読み方割合
こくちょうきし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素足、小袿こうちぎつま端折りて、片手に市女笠いちめがさを携え、片手に蓮華燈籠を提ぐ。第一点のともしびの影はこれなり。黒潮騎士こくちょうきし、美女の白竜馬をひしひしと囲んで両側二列を造る。およそ十人。皆崑崙奴くろんぼの形相。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
言下に、床板を跳ね、その穴より黒潮騎士こくちょうきし大錨おおいかりをかついであらわる。騎士二三、続いて飛出づ。美女を引立て、一の騎士がさかしまに押立てたる錨にいましむ。錨の刃越はごしに、黒髪の乱るるを掻掴かいつかんで、押仰向おしあおむかす。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)