“小袿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうちぎ95.7%
こうちき4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時にほうぼうの織物師が力いっぱいに念を入れて作り出した厚織物の細長や小袿こうちぎの仕立てたのを源氏は手もとへ取り寄せて見た。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「お身さまの前では申し上げられませぬ」と、玉藻は藤紫の小袿こうちぎの袖でせつない胸をかかえるように俯向いた。嵐は桜の梢をゆすって通った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
(おしおはつぶやきつつ去る。雨の音さびしく、奥より玉虫は以前とかわりし白の着附、緋の袴、小袿こうちきにて、檀扇ひおうぎを持ちていず。遠寺の鐘の声きこゆ。玉虫は鐘の音を指折りかぞえて独り語。)
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)