“こうちぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小袿84.6%
小袿衣11.5%
小挂3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お身さまの前では申し上げられませぬ」と、玉藻は藤紫の小袿こうちぎの袖でせつない胸をかかえるように俯向いた。嵐は桜の梢をゆすって通った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、つぶさに見れば、彼女たちの小袿衣こうちぎの袖口にも、帝のお襟にも、白い獄舎虱ひとやじらみが這い出て共に太陽を恋うていたかもしれない。——が、獄もすでに百余日だ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎌倉時代の上﨟じょうろうにや、小挂こうちぎしゃんと着こなして、練衣ねりぎぬかずきを深くかぶりたる、人の大きさの立姿。こぼるる黒髪小袖のつま、色も香もある人形なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)