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くろんぼ
ふりがな文庫
“
黒奴
(
くろんぼ
)” の例文
又
黒奴
(
くろんぼ
)
にサアやナイトの爵位、立法議会の選挙権などを与へて
或
(
ある
)
程度まで威張らせて置く英人の度量が大きいと言はねば成らない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ロリー氏は椅子に掛けたまま身を動かして、例の
黒奴
(
くろんぼ
)
のキューピッドたちの病院患者行列の方へ心配そうな眼をちらりと向けた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
滑稽なる道化者が、この中で独りその
愕
(
おどろ
)
きを慎みなく踊って見せたのは皮肉である。それは信長の愛僕であった例の
黒奴
(
くろんぼ
)
の黒助であった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唯だ日本人の躰格は世界中或る
黒奴
(
くろんぼ
)
を除きて最も下等であるが、日本犬の躰格は世界各国の犬と比較して中等以上どころか寧ろ上等に位しておる。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
南方先生若い盛りに
黒奴
(
くろんぼ
)
女の
夜這
(
よば
)
いを
叱
(
しか
)
り
卻
(
かえ
)
したに次いで豪い(『別訳雑阿含経』巻二十、南方先生
已下
(
いか
)
は
拙
(
やつがれ
)
の手製)。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
畳一畳ほどの
筵
(
むしろ
)
の台へ、見る間に
堆
(
うずたか
)
く積む光景は、油地獄で、むかしキリシタンをゆでころばしたようには見えないで、
黒奴
(
くろんぼ
)
が
珊瑚畑
(
さんごばたけ
)
に花を培う趣がある。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よしは
黒奴
(
くろんぼ
)
の小娘のように、すっかり土にまみれながら、父親が土の中から掘り出した木の根を、一本ずつ運んで行って、冬籠りの薪を
蒐
(
あつ
)
める役を、自ら引き受けていた。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
たとえば、
枝珊瑚樹
(
えださんごじゅ
)
を台にして、それに
黒奴
(
くろんぼ
)
が大勢遊んでいるようなものを
拵
(
こしら
)
える。
幕末維新懐古談:36 脂土や石膏に心を惹かれたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて『おや/\、
叔父
(
おぢ
)
さんは
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、
黒奴
(
くろんぼ
)
になつてしまつてよ。』と
自分
(
じぶん
)
の
顏
(
かほ
)
は
自分
(
じぶん
)
には
見
(
み
)
えず、
昨日
(
きのふ
)
の
美少年
(
びせうねん
)
も、
今
(
いま
)
は
日
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
け、
潮風
(
しほかぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小さな
黒奴
(
くろんぼ
)
女のさざめき……夜になれば、私の夢の伴奏をしようとて、音楽的な
木立
(
こだち
)
どもが、憂鬱な
木麻黄
(
フイラオス
)
が、物悲しい歌をうたふ! さうだ、たしかに、私の欲しい飾りはあそこにあるのだ。
計画
(新字旧仮名)
/
シャルル・ピエール・ボードレール
(著)
赤子
(
あかご
)
らの
眼
(
め
)
のなやみ、
笑
(
わら
)
ふ
黒奴
(
くろんぼ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
慳貪
(
けんどん
)
なる
黒奴
(
くろんぼ
)
の
曲馬
(
きよくば
)
師は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此処
(
ここ
)
のアラビヤ族の
黒奴
(
くろんぼ
)
は
馬来
(
マレイ
)
や
印度
(
インド
)
のに比して一層
毒毒
(
どくどく
)
しい
紫黒色
(
しこくしよく
)
をして居て、肉も血も骨までも
茄子
(
なすび
)
の色を持つて居
相
(
さう
)
に想はれる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
或る伴天連は自分が海外から供に連れて来た
黒奴
(
くろんぼ
)
を、信長に献上した。信長がそれをたいへん珍しがって見ていたからである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いずれ一度は
擒
(
とりこ
)
となって、供養にとて放された、が狭い池で、昔
売買
(
うりかい
)
をされたという
黒奴
(
くろんぼ
)
の
男女
(
なんにょ
)
を思出させる。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
病院患者の行列のような、
黒奴
(
くろんぼ
)
のキューピッドたちが、死海の果物
★
を盛った黒い籠を、黒い女性の神々に捧げていたが、——それから彼はマネット嬢に対して彼の正式のお辞儀をした。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
あるはまた
阿蘭船
(
おらんせん
)
なる
黒奴
(
くろんぼ
)
が
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
アラビヤらしい
黒奴
(
くろんぼ
)
が
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
中に一
片
(
ぺん
)
の丸木船に
杓子
(
しやくし
)
の様な短い櫂を取つて乗つて居る丸裸の
黒奴
(
くろんぼ
)
が
趺坐
(
あぐら
)
をかき
乍
(
なが
)
ら縦横に舟を乗廻して
頻
(
しき
)
りに手真似で
銭
(
ぜに
)
を海中に投げよと云ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼がオルガンチノを愛するのも、他の伴天連たちを見るのも、要するに、
黒奴
(
くろんぼ
)
を可愛がるのと同じ意味のものだった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(公には、よほど
黒奴
(
くろんぼ
)
がお気に入ったとみえますな。いったい何処がよろしくてそんなに御寵愛なさるのですか)
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒奴
(
くろんぼ
)
特有な油光りのしている皮膚に、ギョロと、眼が白く、唇は厚くて赤い。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
更紗
(
さらさ
)
を
纏
(
まと
)
い、黒い皮膚に、
珠
(
たま
)
や
金環
(
きんかん
)
を飾っている二人の
黒奴
(
くろんぼ
)
だった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「一見して分る
黒奴
(
くろんぼ
)
だ。名は、
黒旋風
(
こくせんぷう
)
の
李逵
(
りき
)
といって」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
奴
常用漢字
中学
部首:⼥
5画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒煙
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒縮緬