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閃
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きら
ふりがな文庫
“
閃
(
きら
)” の例文
と言って土間へ出たが、振返ると、若い
女
(
ひと
)
は泣いていました。露が
閃
(
きら
)
めく葉を分けて、明石に透いた
素膚
(
すはだ
)
を焼くか、と鬼百合が
赫
(
かっ
)
と
紅
(
あか
)
い。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月は段々高くなつて、水の如き光は既に夜の空に
名残
(
なごり
)
なく充ち渡つて、地上に置き余つた露は
煌々
(
きら/\
)
とさも美しく
閃
(
きら
)
めいて居る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
陽春三月の花の
天
(
そら
)
に
遽然
(
きよぜん
)
電光
閃
(
きら
)
めけるかとばかり眉打ち
顰
(
ひそ
)
めたる老紳士の
面
(
かほ
)
を、見るより早く
彼
(
か
)
の一客は、殆ど
匍
(
は
)
はんばかりに腰打ち
屈
(
かが
)
めつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
いかつい舅の顔は赫つと朱をそそぎ、両の眼が怪しく
閃
(
きら
)
めいた。「父親がわが
娘
(
こ
)
の
監督
(
みはり
)
をせずに誰がするのぢや!」
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
はます/\
接近
(
せつきん
)
し
來
(
きた
)
つて、
白
(
しろ
)
、
紅
(
あか
)
、
緑
(
みどり
)
の
燈光
(
とうくわう
)
は
闇夜
(
やみ
)
に
閃
(
きら
)
めく
魔神
(
まじん
)
の
巨眼
(
まなこ
)
のごとく、
本船
(
ほんせん
)
の
左舷
(
さげん
)
後方
(
こうほう
)
約
(
やく
)
四五百
米突
(
メートル
)
の
所
(
ところ
)
に
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
二人の武士も義理で長いのを引抜き三人の
武士
(
さむらい
)
が長い
閃
(
きら
)
つくのを持って立並んでいるから、近辺の者は驚きました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
禿山に照り映えていた夕日もいつしか消えて、星の光りが
閃
(
きら
)
めいた。切り落されたような谷間から仰いでも空は広い。
而
(
そ
)
して限りなく深い深い奥に運命の通る穴がある。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
思わず転ぶを得たりやと
笠
(
かさ
)
にかかって清吉が振り
冠
(
かぶ
)
ったる釿の刃先に夕日の光の
閃
(
きら
)
りと宿って空に知られぬ
電光
(
いなずま
)
の、
疾
(
と
)
しや遅しやその時この時、
背面
(
うしろ
)
の方に乳虎一声、馬鹿め
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
妻の説明を聞いた時余は死とはそれほどはかないものかと思った。そうして余の頭の上にしかく卒然と
閃
(
きら
)
めいた生死二面の対照の、いかにも急劇でかつ没交渉なのに深く感じた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或る素晴しい精神科学の作用が電光の如く
閃
(
きら
)
めき起って……オヤッ……そうだったかッ……俺はこんな人間だったのかッ……と思うと同時に、今度こそホントウに気絶するかも知れぬ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
手には小さき
舷燈
(
げんとう
)
提
(
さ
)
げたり。舷燈の光
射
(
さ
)
す口をかなたこなたと
転
(
めぐ
)
らすごとに、薄く積みし雪の上を末広がりし火影走りて雪は美しく
閃
(
きら
)
めき、辻を囲める家々の暗き軒下を丸き
火影
(
ほかげ
)
飛びぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
閃
(
きら
)
めく黄金は、美女の肌を洗って、床に、壁に、窓に、
鏘然
(
しょうぜん
)
と鳴ります。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
密生林
(
みつせいりん
)
の
眞白
(
ましろ
)
い
閃
(
きら
)
めき
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
なんだかその波の
閃
(
きら
)
めきも色の調子も空気のこい影もすべて自分のおどりがちな心としっくり相合っているように感じられた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
うろ/\方々を見廻す
中
(
うち
)
に、侍が
閃
(
きら
)
つく長いのを持って立って居たのを
火影
(
ほかげ
)
に見たから、小僧は驚き提灯を
投
(
ほう
)
り出して向うへ逃げ出したから提灯は燃え上る
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
身を翻へして退く
機
(
はずみ
)
に足を突込む道具箱、ぐざと踏み貫く五寸釘、思はず転ぶを得たりやと笠にかゝつて清吉が振り冠つたる釿の刃先に夕日の光の
閃
(
きら
)
りと宿つて空に知られぬ
電光
(
いなづま
)
の
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると床の上に釣るした電気灯がぐらぐらと動いた。
硝子
(
ガラス
)
の中に
彎曲
(
わんきょく
)
した一本の光が、
線香煙花
(
せんこうはなび
)
のように
疾
(
と
)
く
閃
(
きら
)
めいた。余は生れてからこの時ほど強くまた恐ろしく光力を感じた事がなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「梅子さん」突如銀子は梅子の
膝
(
ひざ
)
に身を投げ出し、涙に濡れたる二つの顔を重ねつ「梅子さん——寄宿舎の二階から
閃
(
きら
)
めく星を
算
(
かぞ
)
へながら、『自然』にあこがれた
少女
(
をとめ
)
の
昔日
(
むかし
)
が、恋しいワ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
大佐
(
たいさ
)
一顧
(
いつこ
)
軍刀
(
ぐんたう
)
の
鞘
(
さや
)
を
拂
(
はら
)
つて、
屹
(
きつ
)
と
屹立
(
つゝた
)
つ
司令塔上
(
しれいたうじやう
)
、一
令
(
れい
)
忽
(
たちま
)
ち
高
(
たか
)
く、
本艦々上
(
ほんかんかんじやう
)
戰鬪喇叭
(
せんとうらつぱ
)
鳴
(
な
)
る、
士官
(
しくわん
)
の
肩章
(
けんしやう
)
閃
(
きら
)
めく、
水兵
(
すいへい
)
其
(
その
)
配置
(
はいち
)
に
就
(
つ
)
く、
此時
(
このとき
)
、
既
(
すで
)
に
早
(
はや
)
し、
既
(
すで
)
に
遲
(
おそ
)
し、
海賊船
(
かいぞくせん
)
から
打出
(
うちだ
)
す
彈丸
(
だんぐわん
)
は
雨
(
あめ
)
か、
霰
(
あられ
)
か。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
白堊の夕日に
閃
(
きら
)
めけるを望みては、其家にすめる
少女
(
をとめ
)
の美しきを思ひ、山巓に沈み行く一片の雲を仰ぎては、わが愁の甚だその行衞に似たるを嘆じ、一道の
坦途
(
たんと
)
漸く其の古驛に達したるは
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
と云いながら
閃
(
きら
)
りッと長いのを
引
(
ひっ
)
こ抜いて、ずぶりッと草原へ
突立
(
つきた
)
てますと
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
星が降るやうに
閃
(
きら
)
めいて居るが、十六日の月は
稍
(
やゝ
)
遅く、今しも
高社山
(
かうしやざん
)
の真黒な姿の間から、其の最初の光を放たうとして、その
先鋒
(
せんぽう
)
とも称すべき一帯の余光を既に夜露の深い野に山に
漲
(
みなぎ
)
らして居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
閃
漢検準1級
部首:⾨
10画
“閃”を含む語句
閃々
閃光
一閃
閃電
電閃
閃過
閃閃
閃耀
角閃花崗岩
大閃光
閃刃
閃付
閃影
閃火
紫電一閃
閃刀
閃爍
閃尾
閃弧
閃条
...