綺麗きら)” の例文
いずれ唐物からものであろうが、師直すら知らないような綺麗きらな織物の袖なし羽織を、桔梗ききょうぼかしの白綾の上へ、すずやかに羽織っていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万八、河長、梅川、亀清、柳屋、柏屋、青柏、大中村と、庇を連ねた酒楼おちゃやでも、大川筋へ張り出した桟敷さじきへ、柳橋芸者に綺麗きらを飾らせ、空の一発千両と豪華のほどを競い、争っている。
円朝花火 (新字新仮名) / 正岡容(著)