“綺麗好”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれいず60.0%
きれいずき40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
台所といえば黒くくすぶりてむさ苦しきように聞ゆれどもこの家の台所は妻君が自慢顔に客を連れ込むほどありて平生へいぜい綺麗好きれいずきさこそと思われ、拭掃除ふきそうじも行届きかまども板の間も光り輝くばかり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
綺麗好きれいずきな島田は、自分で尻端折しりはしおりをして、絶えず濡雑巾ぬれぞうきんを縁側や柱へ掛けた。それから跣足はだしになって、南向の居間の前栽せんざいへ出て、草毟くさむしりをした。あるときはくわを使って、門口かどぐち泥溝どぶさらった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
早や真白まっしろになったびんの毛と共に細面ほそおもての長い顔にはいたましいまで深いしわがきざまれていたけれど、しかし日頃の綺麗好きれいずきに身じまいを怠らぬ皮膚の色はいかにもなめらかにつやつやして
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
綺麗好きれいずきな母が始終しじゅう気をつけて掃除をおこたらなかったにかかわらず、一々書物を並べ直すとなると、思わぬほこりの色を、目の届かない陰に見つけるので、残らずそろえるまでには、なかなか手間取った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)