“ともし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
45.5%
31.8%
燈火6.8%
照射4.5%
灯火3.4%
燭燈2.3%
提灯1.1%
1.1%
燈明1.1%
1.1%
燭灯1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年老いたおうなは普通の土器かわらけよりも大きい灯火をかかげていることが、奇異であるとすれば、全く奇異に大きいともしびでございました。
玉章 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そうして七里の渡しの岸頭から、伊勢の国をながむる人の心は、あいやまの賑やかな駅路と、古市ふるいちの明るいともしに躍るのである。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
越前守は、残された燈火ともしのまえに、さし俯向いていたおもてを、きっと上げると
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
射干しゃかんは「ひおうぎ」「からすおうぎ」などいえる花草にして、ここは「照射ともしして」の誤なるべし。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
思ひも積る片里の雪に灯火ともしの瞬く宵、たゞ我が影の情無く古びし障子に浸み入るを見つめし折の味気無さ、如何ばかりなりしと汝思ふや、歌の林に人の心の花香をも尋ね
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
小さい遺書のつもりで、こんな穢い子供もいましたという幼年及び少年時代の私の告白を、書き綴ったのであるが、その遺書が、逆に猛烈に気がかりになって、私の虚無に幽かな燭燈ともしがともった。
靄の赤みに、夢ごころ、提灯ともしふらまし。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この遺書蝋燭の下にてしたためおり候ところ、只今燃尽き候。最早あらたに燭火をともし候にも及ばず、窓の雪明りにて、皺腹しわばら掻切かっきり候ほどの事は出来申すべく候。
燈明ともしの火ぞしめるてらあらば
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
扉が開いて※紗燈ほうしゃとうを持った少年をれて痩せた男が入ってきた。ともしの燈は杜陽の眼にひどくきれいに見えた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
御送りの燭灯ともし百千は櫻とて天童かざす別とあらば。
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)