灯火ともし)” の例文
旧字:燈火
彼は、毎日のように、近所の海角うみかどに出て、鰤を釣った。彼は、その魚から油を取って、灯火ともしの油にしようと考えたのである。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
思ひも積る片里の雪に灯火ともしの瞬く宵、たゞ我が影の情無く古びし障子に浸み入るを見つめし折の味気無さ、如何ばかりなりしと汝思ふや、歌の林に人の心の花香をも尋ね
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
日は沈み山紫に空赤く大路おほぢ小路こうぢ灯火ともし見えそむ
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)