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燈下
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とうか
明日からは
車のおとも
止まるまじ、
思へば
何故に
彼の
人のあの
樣に
嫌やなりしかと
長き
袂を
打かへし
打かへし
見る
途端、
紅絹の八ツ
口ころ/\と
洩れて
燈下に
耀やく
黄金の
指輪
晝は
終日兵術を
修し、
夜は
燈下に
先哲を
師として、
治亂興廢の
理を
講ずるなど、
頗る
古の
賢主の
風あり。
よし
人目には
戀とも
見よ
我が
心狂はねばと
燈下に
對坐て、
成るまじき
戀に
思ひを
聞く
苦るしさ、
敏はじめよりの一
念を
語り、
切めてはあはれと
曰へと
恨むに、
勿体なきことヽて
令孃も
泣き
怪しさよと
計り
敏は
燈下に
腕を
組みしが、
拾ひきしは
白絹の
手巾にて、
西行が
富士の
烟りの
歌を
繕ろはねども
筆のあと
美ごとに
書きたり、いよいよ
悟めかしき
女、
不思議と
思へば
不思議さ
限りなく