燈下とうか)” の例文
其日そのひからかぞへて丁度ちやうど一週間前いつしうかんまへ夜學やがくかつたころで、晝間ひるま通學生つうがくせいかへつてしまひ、夕飯ふゆはんんで、わたし部屋へや卓子つくゑうへで、燈下とうか美少年録びせうねんろくんでた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
明日あすからはくるまのおともまるまじ、おもへば何故なぜひとのあのやうやなりしかとながたもとうちかへしうちかへし途端とたん紅絹もみの八ツくちころ/\とれて燈下とうか耀かヾやく黄金わうごん指輪ゆびわ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
燈下とうか一品ひとしな
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひる終日ひねもす兵術へいじゆつしうし、よる燈下とうか先哲せんてつとして、治亂ちらん興廢こうはいかうずるなど、すこぶいにしへ賢主けんしゆふうあり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よし人目ひとめにはこひともこヽろくるはねばと燈下とうか對坐むかひて、るまじきこひおもひをるしさ、さとしはじめよりの一ねんかたり、めてはあはれとのたまへとうらむに、勿体もつたいなきことヽて令孃ひめ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あやしさよとばかさとし燈下とうかうでみしが、ひろひきしは白絹しろぎぬ手巾はんけちにて、西行さいぎやう富士ふじけむりのうたつくろはねどもふでのあとごとにきたり、いよいよさとりめかしきをんな不思議ふしぎおもへば不思議ふしぎかぎりなく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)