刀架とうか)” の例文
ソノ刀剣ノ利鋭ナルコト、コレヲ以テ欧羅巴ヨーロッパノ刀剣ヲ両断スルトモ疵痕しこんとどムルナシ。サレバ刀剣ノ装飾ニモ最モ入念ニシテ、刀架とうかニ置キテ室内第一ノ装飾トナス
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「何を馬鹿なことを言うのだ。拙者の来国俊は縁側の刀架とうかにあったのだぞ——その時拙者は雪隠せっちんに入って居たのだ。拙者に知られずに、縁側を刀架の側まで来る工夫があると思うか」
そしてもし武士ならばその剣を軒下の刀架とうかにかけておく、茶室は至極平和の家であるから。それから客は低くかがんで、高さ三尺ぐらいの狭い入り口〔にじり口〕からにじってはいる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
それから刀架とうか脇息きょうそく——。
雪隠せっちんの前に用意してある刀架とうかに任せて置くのですが、何やら胸騒ぎがしたものか、刀架けには長い方の来国俊ひと腰だけを任せ、短い方は手にげたまま便所の中に入ってしまったのです。