“にわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
46.9%
23.6%
16.8%
丹羽3.7%
2.4%
1.9%
0.9%
庭園0.6%
前庭0.4%
0.4%
裏庭0.2%
場所0.2%
丹波0.2%
二羽0.2%
似合0.2%
0.2%
園亭0.2%
土間0.2%
広場0.2%
庭上0.2%
日和0.2%
栽庭0.2%
爾波0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それと同時に、林の中はにわかにばさばさ羽の音がしたり、くちばしのカチカチ鳴る音、低くごろごろつぶやく音などで、一杯いっぱいになりました。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ああ!」とおかみさんがこたえた。「うち後方うしろにわにラプンツェルがつくってあるのよ、あれをべないと、あたしんじまうわ!」
彼らはにわかに姿をかくしたにちがいない。——あきらかに本船を意識してのがれた、とそう思われた。港の家々はも抜けの殻であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
城主丹羽にわ長国は、置物のようにじっと脇息きょうそく両肱りょうひじをもたせかけて、わざとあかりを消させた奥書院のほの白いやみの中に、もう半刻はんとき近くも端座しなが
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
その日以来、支那式の温室は、私達に執っては何より楽しい隠家かくれがとなったのでございます。恋の隠家、接吻の場所——媾曳あいびきにわとなったのでした。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あらゆるわれわれのにわの花が、土に根ざして咲き栄えるように、一国の文学にも正しく数千年の成長はあったが、文字というものから文学を引き離して見ることのできぬ者には
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
宋朝以来南支那に盛んな五通神は、家畜の精が丈夫に化けてにわかに人家に押し入り、美婦を強辱するのだ(『聊斎志異りょうさいしい』四)。
というのは、夫を失って悲歎に暮ていなければならない筈の瑠璃子が、さも呑気らしく、微笑さえ浮べて、月夜の庭園にわのそぞろ歩きをしているとは、ちと変ではないか。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
腹這いになってうかがった。眼の下に小広い前庭にわがあり、植え込みが飛び飛びに出来ていた。その奥の方に主屋があった。どこにも人影は見えなかった。で弓之助は飛び下りた。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これを掘りてた者がにわかに富んで発狂するさえ少なからず、伏蔵探索専門の人もこれを見中てる方術秘伝も多い。
百姓家ひゃくしょうや裏庭にわで、家鴨あひるなかうまれようとも、それが白鳥はくちょうたまごからかえ以上いじょうとりうまれつきにはなんのかかわりもないのでした。
さて一同いちどう裏庭にわいてみますと、そこではいま大騒おおさわぎの最中さいちゅうです。ふたつの家族かぞくで、ひとつのうなぎあたまうばいあっているのです。そして結局けっきょく、それはねこにさらわれてしまいました。
特別をもって庄三郎も軍議の場所にわに列せられ、尚他に諸角豊後、穴山梅雪、武田逍遥軒、板垣駿河、長坂釣閑ちょうかん、真田弾正同じく昌幸、円座を作って居流れた様は、堂々として由々しかった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
中曲輪三分の一が曝涼の場所にわにあてられた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
踏むように渡って歩くお前でも、丹波にわ高一のこの落ちぶれ果てた姿を見たら、少しは何んとか思うだろう
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「では、二羽にわの鳥をいっしょにうたわせてみよう。そうすれば、きっと、すばらしい二重唱になるだろう」
「ど、どっこい、そうはゆかないよ。見かけに似合にわわず、太い先生だ。これが欲しければ、約束どおり、あれを実験して見せろ。よく話をしてあったはずじゃないか」
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「しばらくにわを見なかったが、珍珠蘭ちんしゅらんが枯れてるじゃないか」
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
王はどこかの園亭にわだろうと思ったので、勝手には入らなかった。振りむくとその家の向いに、大きな滑らかな石があった。王はそれに腰をかけて休んでいた。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
楯井さんは、黙って土間にわにあった太い長い棒切を握って、そっと外に出て見た。井戸のすぐ側の太い樹の切株の上に、青い大きな光る珠がのっていた。
惨事のあと (新字新仮名) / 素木しづ(著)
家構えにも、屋敷の広場にわにも、家の中の雑用具ぞうようぐにも。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
何者かの手によってこうした室内の中央まんなかに引き上げられて、下に見えるものは、初太郎の部屋から、開いている雨戸一枚の幅に黄色く流れ出て庭上にわに倒れている行燈の焔影だけである。
五十いそぢあまりの武士もののべ廿はたちあまりの同じ出立いでたちなる、六八日和にわはかばかりよかりしものを、明石より船もとめなば、この六九朝びらきに七〇牛窓うしまど七一とまりは追ふべき。
高い塀に取り囲まれている静かな栽庭にわにそろそろ日が影って、植木のすみの方が薄暗くなり、暖かかった陽気が変ってうすら寒くはださわるようになってきた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
丹羽郡爾波にわ神社及び中島郡太神社の神体なる仲臣子上命なかのおみこがみのみことをその始祖となし、子孫連綿として累世丹羽郡の領司または大領となった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)