“最中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もなか39.5%
さいちゅう25.9%
さなか22.8%
さいちう6.8%
さいちゆう2.5%
まんなか1.2%
たゞなか0.6%
サナカ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんなに急ぐならば此方は知らぬ、お前一人でお出と怒られて、別れ別れの到着、筆やの店へ來し時は正太が夕飯の最中もなかとおぼえし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれどこんなことでまごまごしている最中さいちゅうに、バルブレンのおっかあのまだ生きていることを知って、わたしは大きな満足まんぞくを感じた。
僕達は寒い最中さなかに上野を立った。僕達は皆んな炭坑労務者の記号のついた腕章を巻いていたが、誰もが気恥ずかしそうにしていた。
落穂拾い (新字新仮名) / 小山清(著)
と云ひつぱなして、それなり消えて仕舞つた。すると、つぎの時間に又何処どこからかあらはれた。今度こんどは何と思つたか、講義の最中さいちうに、突然
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
入口いりくち彼方あちらなが縁側えんがはで三にん小女こむすめすわつてその一人ひとり此方こちらいましも十七八の姉樣ねえさんかみつてもら最中さいちゆう
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
本堂はそばに五重の塔を控えて、普通ありふれた仏閣よりもさびがあった。ひさし最中まんなかからさがっている白いひもなどはいかにも閑静に見えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しるべの燈火ともしびかげゆれて、廊下らうかやみおそろしきをれし我家わがやなにともおもはず、侍女こしもと下婢はしたゆめ最中たゞなかおくさま書生しよせい部屋へやへとおはしぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此日可なり古くから、夏の最中サナカにきまつて塩鯖の手土産をさげて、親・親方の家へ挨拶に行つた。背の青い魚の代表の様なあの魚も、さばと言ふ名は古い。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)