“たゞなか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
正中29.4%
中央17.6%
只中17.6%
中心11.8%
唯中5.9%
眞中5.9%
最中5.9%
真中5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
橘柚オレンジ檸檬リモネの林を見下し、高くは山巓さんてんの雲を踏み、低くは水草茂れる沼澤の上を飛びしときは、終に茫漠たる平野の正中たゞなかなる羅馬の都城に至りぬ。
さもあらばあれ、死人の踊の、その中央たゞなかで跳ねてゐる
くもそびゆる高山たかやまも。のぼらばなどかへざらむ。そらをひたせる海原うなばらも。わたらばつひわたるべし。わが蜻蛉洲あきつしまあかねさす。ひがしうみはなじまたとへばうみ只中たゞなかに。うかべるふねにさもたり——。
あかつきころになつてやうやみづきたので、二人ふたりそのなかり、いま何處いづく目的めあてもなく、印度洋インドやう唯中たゞなかなみのまに/\漂流たゞよつてるのである。
輕氣球けいきゝゆうともに、海洋かいやう唯中たゞなか落込おちこんだ吾等われら兩人りやうにんは、一時いちじすうしやくふか海底かいていしづんだが、さひはひにも、落下らくか速力そくりよく割合わりあひ緩慢くわんまんであつたためと、またなみ氣球きゝゆう抵杭ていかうしたために、絶息ぜつそくするほどでもなく
此邊このへん印度洋インドやう眞中たゞなかで、眼界がんかいたつするかぎ島嶼たうしよなどのあらうはづはない、ましてやくぷん間隙かんげきをもつて發射はつしやする火箭くわぜんおよ星火榴彈せいくわりうだん危急存亡きゝふそんぼうぐる難破船なんぱせん夜間信號やかんしんがう
わたくしおな滊船ふねで、はる/″\日本につぽん歸國きこく途中とちう暗黒あんこくなる印度洋インドやう眞中たゞなかおそ海賊船かいぞくせん襲撃しふげきひ、不運ふうんなる弦月丸げんげつまる沈沒ちんぼつともに、夫人ふじん生死せいしわたくしにはわからぬ次第しだいだが
しるべの燈火ともしびかげゆれて、廊下らうかやみおそろしきをれし我家わがやなにともおもはず、侍女こしもと下婢はしたゆめ最中たゞなかおくさま書生しよせい部屋へやへとおはしぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
栄子が何うして三人の子供まで取られたうへに、実家からさへもうとまれて独りで世のなかの真中たゞなかおよぎ出さなければならなかつたかと云ふ事情が、段々明かになつて来た。
質物 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)